調味料や冷凍品などの食品を製造するメーカーとして、またアミノ酸の研究開発でも世界のトップを走る味の素。人々の生活やアスリートの体作りも支える味の素は、グローバル市場で攻め続ける企業でありながら、従業員にも働きやすい環境を提供しているイメージがあります。そんな味の素は、新卒採用をどのような考え方で進めているのでしょうか。味の素人事部人財開発グループの増原早紀さんに、採用のステップや求める人材像について聞きました。

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セールス&マーケティングの面接回数は6~7回

日経doors編集部(以下、――) 味の素といえば、グローバルなイメージがあり、学生からの人気が高いのではないでしょうか。早速、(1)新卒の採用過程について教えてください。

増原早紀さん(以下、増原) 当社は3つのエントリーフィールドを設けていて、それぞれ選考の進め方が違います。1つ目が、研究開発を行うR&D。2つ目は、セールス&マーケティングという営業やマーケティングを担うフィールドです。もう1つが管理部門であるコーポレートで、デジタル技術を活用するビジネスを担う(デジタルトランスフォーメーション)人材などを募集しています。

 R&Dではまず、エントリーシートと研究レポートの提出、そしてウェブの適性検査の受検をお願いします。書類審査を経て、リクルーターの面接と一次面接、二次面接を経て内々定に至ります。セールス&マーケティングは、エントリーシートと適性検査の通過後に、1分間の自己PR動画を提出していただきます。その後、6、7回ほどの面接を実施。コーポレートもセールス&マーケティングと同様ですが、今受け付けているDX人材の選考ステップはR&Dと同じです。

―― 面接が多いんですね! 1回で面接する人数は何人ですか。

増原 社員1~2人、学生1人のスタイルで面接を重ねていきます。我々としては、入社後のミスマッチを防ぐためにも、複数回の面接を経て、会社への理解を深めてほしいと思っているんです。面接のたびに志望度を上げてくれる学生も多いですし、私自身もそうでした。

味の素人事部人財開発グループの増原早紀さん。「6~7回の面接をして、学生に理解を深めてもらいます」
味の素人事部人財開発グループの増原早紀さん。「6~7回の面接をして、学生に理解を深めてもらいます」