就活中の学生に人気の味の素。食品に限らない幅広い事業領域とグローバル展開が魅力ですが、実際に入社したら、どのような仕事に携われるのでしょうか。新卒採用の過程について聞いた前編に続いて後編では、味の素人事部人財開発グループの増原早紀さんに、仕事の内容や働きやすさを実現する制度について話してもらいました。

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アミノ酸の分野では化粧品や医薬品メーカーが相手

日経doors編集部(以下、――) 前半に続いて、後半でも根堀り葉掘り伺いますね。女性活躍についても聞きます。(10)取締役、管理職中の女性の割合は?

増原早紀さん(以下、増原) 取締役の女性は1人。比率でいうと16%です。管理職の女性比率は8.3%です。

―― そうなのですね。女性がメインターゲットの食品メーカーとしては低い印象です。

増原 今はそうですね。2017年まで総合職と地域職という考え方で採用をしていたので、幹部になる世代の総合職に、男性が多いのが現状です。ただ、今は女性活躍を推進していくため、重要意思決定機関に占める女性の割合を上げるキャンペーン「30% Club Japan」に参加しています。

 管理職の女性比率や女性の役員登用率を高める中期経営計画も2020年から進めています。最近は新卒の学生は全員グローバル型社員として採用していて、エントリー数は女性のほうが多いです。内定率も女性が40%ほどで、半数が女性という年も。その若手が年を経ていくにつれて、このパーセンテージは上がっていくと思っています。

―― (11)では、平均就業年数は何年ですか?

増原 男性が約20年、女性が約18年です。

―― (12)では、社員の現在の男女比は?

増原 2018年度で、男性が73%、女性が27%です。

―― 9割の社員は国内で働いているそうですが、どんな仕事に就くことが多いのですか?

増原 特に若手のうちはセールス&マーケティングのフィールドで働く営業職が多いです。ただ営業と一口に言ってもいろいろなタイプのお仕事があります。例えば業務用の商材だと、外食チェーン店や加工食品のメーカーに対して営業します。アミノサイエンスの分野では、アミノ酸を原料として扱う海外のメーカーや、化粧品や医薬品の分野の会社を相手にすることも。営業以外にも、マーケティングを担う仕事もあれば、アスリートの食事面のサポートをする仕事もあります。

―― いろいろな仕事があるのですね。ちなみに海外赴任する場合は、東南アジアへ行くケースが多いのでしょうか?

増原 食品事業ですと東南アジア地域がメインなのですが、アミノサイエンスの事業はヨーロッパや北米が対象なので、そういったエリアへの赴任もあり得ます。

「今は女性活躍を推進していくため、重要意思決定機関に占める女性の割合を上げるキャンペーン『30% Club Japan』に参加しています」と話す味の素人事部人財開発グループの増原早紀さん。
「今は女性活躍を推進していくため、重要意思決定機関に占める女性の割合を上げるキャンペーン『30% Club Japan』に参加しています」と話す味の素人事部人財開発グループの増原早紀さん。