今も昔も、学生に人気の広告業界。クリエーティブで面白い仕事に憧れて志望する人も多い一方で、とにかく忙しいというイメージも。今回は、大手広告代理店の博報堂とメディア部門を担う博報堂DYメディアパートナーズの新卒採用について、人事部の山本桃子さんに聞きました。どんな人が入社できるの? 給料は高い? 残業は多い? 学生が知りたい広告業界の採用や働き方について、20のぶっちゃけ質問で迫りました。

 女子学生による就職人気ランキングで常に上位の博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ。広告業界は「クリエーティブな仕事ができるのでは?」と人気がある一方で、残業が多く忙しいイメージも。そんな博報堂は一体、どんな採用活動をして、どんな人材を求めているのでしょうか。博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ人事部の山本桃子さんに伺いました。

1日かけてじっくり選考

日経doors編集部(以下、――) 広告会社は仕事がハードというイメージもありますが、学生から人気が高いですよね。採用活動についてざっくばらんにお答えいただけるとうれしいです。まず(1)どのような採用過程で内定に至るのか教えてください。

山本桃子さん(以下、山本) 新卒の採用人数は、ここ5年ほどの実績としては毎年博報堂が約100人、博報堂DYメディアパートナーズが20~30人です。博報堂は広告事業会社、博報堂DYメディアパートナーズは、テレビ局や出版社、新聞社などのメディアに関わる仕入れや開発を行うメディア事業会社です。採用過程の最初のステップは、エントリーシートと当社が定めた課題の提出。書類選考を通過すると、面接が3回あります。

―― え、意外と少ないんですね!

山本 一見少なく思われるかもしれませんが、学生さんをしっかり見られるように工夫しているんです。1回目は、社員と学生の少人数のグループ面接。学生のパーソナリティーや、当社のカルチャーにフィットするかどうか現場の社員の目で見ます。次は、個人ワークとグループワークを1日がかりで行います。午前中はコピーライティングと戦略構築の力を見る個人のペーパーテスト。午後は別の課題のグループワークを行ってもらいます

―― 1日かけてかなり濃密な選考をするのですね。グループワークの課題はどんな内容ですか?

山本 たとえば、「新しい贈り物の習慣を作る」というお題など、実際の仕事に近い内容です。グループワークやディスカッションの過程も現場の社員が見て、楽しく取り組めているか、集団の中でどのような役割をする学生なのかなど、さまざまな視点でチェックしています。グループワークを選考官として一緒に見る現場社員たちが毎年「学生時代の自分が受けたら落ちるかもしれない!」と言うくらい、難しいお題です(笑)。最終面接は、役員レベルも参加する個人面接です。

「グループワークでは実際の仕事に近い内容の課題が出ます」と話す博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ人事部の山本桃子さん
「グループワークでは実際の仕事に近い内容の課題が出ます」と話す博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ人事部の山本桃子さん

―― では、(2)説明会や面接などで特に意識して学生に伝えていることはありますか?