ビールや飲み会が大好き、男社会でパワフルな体育会系のイメージが強いビール業界。新卒で応募するのも、スポーツに勤しんできた学生が多いと感じている人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、30年以上にわたりビール好きに愛される「アサヒスーパードライ」を主軸に、アルコール飲料を手掛けるアサヒビールを取材。経営創造本部人事総務部の浅野健太さんに、新卒採用のステップから、ビールメーカーに入社する人の条件や気になる社風まで、20のぶっちゃけ質問で迫りました。

社員は体育会系出身ばかり?

日経doors編集部(以下、――) いきなりなのですが、ビール業界は体育会系のイメージがあります。体育会系の社員は多いんですか?

浅野健太さん(以下、浅野) 皆さんがイメージしているほど多くはないですよ。新入社員でいうと、4割ぐらいが体育会出身です

―― え、4割! 結構多いですよね?(笑)

浅野 あ、ほんとですか? 7~8割体育会ですかって言われることが多いので、そんなことないですよという話はするんですけど(笑)。4割でも多いんですね、すみません!

―― 浅野さんご自身も体育会出身ですか?

浅野 はい、体育会です(笑)。

―― やっぱり(笑)。何をされていたんですか?

浅野 ラクロスです。こんないかにも体育会の人間が体育会系ノリじゃないよとか言っても、信ぴょう性がないと思いますが(笑)。上下関係が厳しいとか、お酒をたくさん飲むとか、体育会系ノリなんですかと聞かれることも多くありますが、全くそんなことはないですよ。文化系の社員も多いですし、穏やかですよ!

―― ただやっぱりアサヒビールというと、これまでどんどんシェアを奪ってきた営業力のイメージがあります。そういうゴリゴリの営業をやりたくて志望する学生も多いのではないですか?

入社後は2人の教育係がつく

浅野 そうですね。ただ、さまざまな部署で経験を積みたいという学生も増えていて、いろいろなタイプの方が来てくださいます。最近、入社後の教育制度もきちんとマニュアル化して整備しているんです。

 例えば、新入社員1人に4カ月間、配属先で2人の教育担当がつく「ブラザー・シスター制度」があります。営業現場での育成を目的に、飲食店さん向けの営業と、量販営業の先輩がそれぞれつきます。そのうち1人が、ブラザー(シスター)として、その社員の育成の代表になるんです。社会人になって右も左も分からない学生さんを、2人体制でフォローします。

―― 4カ月間、しかも2人の社員がついてくれるなんて手厚いですね!

浅野 ブラザーやシスターになる社員も社内で募るんですが、新入社員から学ぶことが多いと、こちらも毎年たくさんの社員が希望してくれるんですよ。

―― 営業職は、お客さんや同僚と飲みに行く機会も多いのではないかと思います。やっぱり、ある程度お酒が飲めないと入社できませんか?

浅野 ビールが好きな社員は多いです。正直、少しは飲めたほうがいいかなとは思うんですけど、全く飲めない社員も実際に営業に配属されていますし、飲めなくても大丈夫です。競合との味の差や、自社製品の魅力を表現できる力さえ備わっていれば問題ありません。

―― やっぱり飲み会は多いですか?

浅野 飲み会は……ほかの企業さんに比べたら多いのかなとは思いますね(笑)。仕事帰りに1時間行こうかということも多いですよ。繰り返しますが、アルコールを飲めなくても大丈夫です!

―― なるほど。では採用活動の質問に移りますね。(1)新卒採用のステップを教えてください。

アサヒビール経営創造本部人事総務部の浅野健太さんの画像
経営創造本部人事総務部の浅野健太さん。「学生とのミスマッチを防ぐためにいろいろな工夫をしています」

浅野 3月からエントリーシートの受け付けを開始します。約1カ月の応募期間を経て、6月1日から面接を実施。面接は、1次、2次、3次、最終の合計4回です。

―― 他社と違う、アサヒビールだけのユニークな選考方法はありますか?