ワンチームを目指す

浅野 学生さんはよく、アサヒビールは全社がチーム一丸となって進むというイメージを持ってくださるんですが、実際にそうですね。弊社の社長も、ワンチームになろうということを言っています。今、ラグビーで話題のワンチームで恐縮ですが(笑)。チームワークを大切にする社員が多いですね

―― スポーツに協賛する機会が多いことも、そんな社風につながっているのかもしれないですね。

浅野 そうですね。今年開催の野球の「2019WBSCプレミア12」に協賛していますし、来年の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も、ビールとワインのゴールドパートナーとして協賛しています。ひとつの目的に向かってがんばろうというスポーツの精神と近い風土ではありますね。ただ、上から言われてただやるというのではなく、風通しがよく、自発的に考え、行動を起こすこともできます。また、みんなでがんばっていこうという空気が強いですね。若いうちから上司に意見を言える雰囲気もあり、それが一体感を生んでいると思います。

―― (20)いちおしの福利厚生はありますか? アサヒビール飲み放題とか!

浅野 残念ながら、会社の蛇口をひねってもビールは出てこないですが(笑)、財形貯蓄や住宅手当、カフェテリアプランなど、一通りの福利厚生は整っています。社員それぞれが自分に合ったものを利用していますよ。

―― ビール業界全体には、若者のビール離れなどの課題があるとも言われていますよね。そんな中で、アサヒビールはどんな立ち位置でありたいですか?

浅野 スーパードライを1987年に発売してから約30年が経ちますが、当社は、酒類全体の売上内のビールの構成比が56%で、他のビールメーカーさんより高いんです。根っからのビールメーカーとして、新しいことにどんどん挑戦していきたいです

 たとえば今年、若い人が行く飲食店さん向けに、「アサヒスーパードライ ザ・クール」というビールの小瓶の商品を出しました。海外のように瓶のままビールをかっこよく飲むというスタイルを提案して、売れているんです。実際、若い人に聞いてみると、お酒から離れているわけではないんですよ。お客様がビールを飲む機会をいかに提供するかというのが、われわれビールメーカーに求められていると思いますね

取材・文/川辺美希 写真/鈴木愛子