今も昔も、就活中の女子学生に人気の華やかな旅行業界。人に楽しい思い出やレジャー体験を提供する旅行会社は、どんな学生を採用したいと考えているのでしょうか? 国内旅行、海外旅行のサービスだけでなく、「旅」に関する幅広いソリューションを提供してきたJTB・人事部人事チーム求人担当の木村愛さんに、新卒採用の内側や、求める人材像について詳しく聞きました

動画エントリーで気負わず普段の自分をアピールして

日経doors編集部(以下、――) JTBはいつも就職ランキングの上位に入っていて、特に女子学生に人気が高いですよね。やっぱり、女子学生の応募が多いんですか?

木村愛さん(以下、木村) ありがたいことに、男女問わずたくさんの学生さんに応募いただいていますね。

―― 早速ですが、まずは(1)新卒採用のステップについて教えていただけますか。

木村 入社予定年の2月までは、学校やナビサイトが主催する業界説明会に参加して、広報解禁の3月から、会社説明会やエントリーシートの受け付けをスタートします。その後6月から面接を行い、その結果によって内々定の通知をさせていただき、10月1日をもって内々定から内定へというスケジュールで採用を進めています。

―― 面接の回数は何回ですか?

木村 JTBはグループ各社で採用活動を行っていまして、各社それぞれの選考プロセスを踏むため回数はさまざまです。グループ面接からスタートして個人面接まで、合わせて複数回の面接を行います。

JTB・人事部人事チーム求人担当の木村愛さん。「動画でのエントリーを受け付けています」
JTB・人事部人事チーム求人担当の木村愛さん。「動画でのエントリーを受け付けています」

―― なるほど。他社と違うユニークな選考ステップはありますか?

木村 自己PR動画を導入しています。これはまだ実施している会社さんは少ないのではないでしょうか。写真や文章だけのエントリーシートでは学生の方々の本当の姿が見えにくいため、1分間の自己PR動画を通して個性を知りたいと思っています。

―― 今の学生さんは動画を撮ることにも慣れていますし、アピールしやすいですよね。動画のテーマはあるのですか?

木村 2020年新卒では「最近心に残ったこと」というテーマでした。学生さんが気負わずに話していただけるテーマにしています。スーツではなく、部活のユニフォームや、バイト先の服装で登場して、普段のありのままの姿を伝えてくださる方もいらっしゃいました。

グループ14社事業内容が多岐に渡る

―― では、(2)説明会や募集サイトで、特に意識して伝えようとしていることはありますか?

木村 JTBグループは14社合同で新卒の求人を行っているのですが、各社、事業内容もキャリアのコースもさまざまです。例えば株式会社JTBでは、2018年4月に経営統合を行い事業別・エリア別に分かれていた15社をひとつにしましたので、携わる事業領域やコースも多岐にわたります。広報解禁の3月以降は各社で採用活動を進めていきますので、説明会や採用サイトではそれぞれの事業ならではの魅力を詳しく伝えるように心がけています。

―― どのように募集コースが分かれているんですか?

木村 詳細は各社で異なりますが、所属する会社が関わる事業を中心にあらゆる業務に従事する社員を募集対象とした「総合職」と、従事する業務や勤務地等を特定する社員を募集対象とした「基幹職」の2つに分かれています。会社の事業すべてに興味があるというより「この事業に携わりたい」と希望する方や、エリアを絞った働き方を選ぶ方もいらっしゃるので、各社が必要に応じて基幹職という選択肢を設けています。

―― 14社もあって、さらに各社の中にコースや事業もさまざまで、選ぶのも大変そうですね。

木村 そうですね。迷ってしまう方も多いと思うので、各社への理解を深めてもらうために、2019年の10月から初めて、パソコンやスマホで参加できる「JTB Web Summit」を実施しました。JTBグループ14社によるインターンシップ&業界・仕事研究セミナーをまとめえ聞けるウェブ上のイベントのため、遠方で説明会場に行けない方や、会場が満席で参加できなかった人も参加ができるため好評でしたね。