出会ってすぐのセックスはやっぱりNG?

―― 先ほど、男性は五感で恋愛するというお話がありました。じゃあ、キスまで到達して体の相性もよければ、結婚につながる可能性は高いですか? Aさんは早めに関係を持つタイプで、体の相性がいい人が過去に何人かいたそうです。セフレになって終わってしまうのが課題なんですが……。

森川 うーん、セフレになってしまうのは考えものかもしれませんね。結婚を前提に考えるなら、肉体関係に入るタイミングはとても重要なんです。例えば、居酒屋で1万円の食事をして、ホテルに宿泊して1万円。それで関係を持ったとすると、2万円の投資でリターンを得られたことになる。男性にとっては「2万円の女性」になってしまうんです。男性にもっと投資をさせないと。

―― ということは、たくさんデートを重ねて、もっとお金を使わせてから体の関係を持ったほうがいいということですか?

「体を許すのはぐれぐれも慎重に」と森川教授
「体を許すのはぐれぐれも慎重に」と森川教授

森川 もちろんです。関係を持つために10回デートをして、高級フレンチに行き、プレゼントもたくさん用意したのなら、その女性には十数万円の価値がつく。そうなれば男性は、リターンを得るために何回も会いたくなるんですよ。

―― なるほど。1回会っただけでつい体の関係を結んでしまった。でも、その関係をリカバーして、交際に持ち込み、結婚に至るということはできますか?

森川 妊娠などの特別な事情ができたときは、できると思います。あるいは、男性が急に職を失って彼女の収入に頼る生活になったとか……。でもAさんの場合、そんな状況になるのを待つのではなくて、自分から動いたほうが得策かな。

―― 具体的にどうすればいいんでしょう?

森川 セフレはキープしておいて、結婚相手は別で探す。そうすれば自分に余裕ができて焦りにくくなります。余裕がある女性は男性にも魅力的に映ります。そして、Aさんは相手のことをじっくり観察して、本命を探すことができる。今までは「なし!」と思っていた男性も、よく観察すればいいところが見えてくるかもしれません。いいなと思える相手と交際に向けて動き出したとしても、その人に依存することがなくなる。セフレが別にいるのだから、気になる相手とすぐに体の関係に陥るこということもなくなります。適度な距離を保って付き合えますよ。

―― でも、一度に2人と付き合うなんて相手に申し訳ないような……。

森川 もし心苦しかったら、付き合う前段階で複数人とデートをしてみて誰が自分に合うのかを比較検討するのも一つの手です。投資する側の男性は同時進行で複数の女性と付き合うのは難しいですが、女性の場合は金銭的に困窮することもない。今の女性は仕事に追われ、なかなか自由に使える時間もありませんよね。短い時間で効率的に相手を見つけるためにも、一度試してみる価値はありますよ。ただ、この場合もいいなと思う相手に簡単に体を許さないことが大切です。

取材・文/華井由利奈 写真/鈴木愛子 構成/飯泉梓(日経doors編集部)