200軒を超える居酒屋を訪れ、研究

 永尾さんの開発チームは、「居酒屋のおいしいレモンサワーの味」をテーマに、200軒を超える居酒屋を訪れてレモンサワーを研究した

 時には、永尾さん一人で1日8軒の居酒屋を回ったことも。その結果、レモンサワーに対する潜在的なニーズが浮き彫りになったという。「居酒屋さんのレモンサワーの作り方は、大きく分けて2つ。1つは、焼酎にレモンシロップを入れて炭酸で割る方法、もう1つは、焼酎に生搾りのレモン汁と炭酸水を入れて混ぜる作り方です。ただ、シロップで作った甘過ぎるレモンサワーはジュースのようで食事に合わず、お酒好きにとっては繰り返し飲みづらい。また、生搾りも、果汁は多いのですが香りがつきにくく、意外とレモン味が薄いんです」

200軒の居酒屋をまわりレモンサワーのおいしさを探求
「1人で8軒の居酒屋を回って研究したこともあります」
「1人で8軒の居酒屋を回って研究したこともあります」

 レモンの味もお酒の味もしっかり感じられて料理を引き立てる、それこそが本当においしいレモンサワーという結論に至ったという。

 「味の開発に当たって、まずは本当においしいと思うレモンサワーをメンバーが好き勝手に作りました」と振り返る。そこで挑戦したのが「レモンまるごと仕込」だ。「レモンを皮も含めてまるごとお酒に着けこむと、皮に多い香り成分や、苦みや渋みがうまみとして酒に溶け込みます。それが味の厚みにつながるんです」