居酒屋風の武骨なデザインと「素」のこだわり

 居酒屋らしいイメージを伝えることも意識した。「こだわり酒場」というネーミングや、武骨な酒場の短冊状の手書きメニュー風デザインで、主にサラリーマンの男性が好む居酒屋の雰囲気を表現。

 炭酸水で割ってレモンサワーを作るという、これまでにないスタイルを正しく伝える工夫もした。「どうやって飲めばいいのか伝わりにくいため、ラベルの上のほうに、わざわざ『炭酸水で割るだけ』と用途を入れました。『レモンサワーの素』というネーミングについては、社内では『漬物の素じゃないんだから』という意見も(笑)。ただ、このまま飲むものではないと伝えるためには『素』も必須でした」

居酒屋好きに響く武骨なデザインと分かりやすいネーミング
居酒屋らしい手書き風メニューのデザインを採用した
居酒屋らしい手書き風メニューのデザインを採用した

 瓶のサイズは、500ml。700~900mlが一般的な焼酎のビンに比べて、小さめの容量に設定した。「気軽に手に取ってもらえて、毎日の家飲みで扱いやすいサイズにしました。結果的にリピートしていただいたお客様からは、冷蔵庫のドアポケットに入れやすくて良いという声をいただきましたね。キンキンに冷えたレモンサワーを作るために、炭酸だけでなくお酒も冷やしたいというお客様が多いんです」と永尾さんは言う。

 そして、いよいよ2018年2月に瓶の「こだわり酒場のレモンサワーの素」が発売。インパクト大のテレビCMも話題を集めて、発売直後から売り場から商品がなくなるという事態に。発売後の施策やヒット継続の理由は、明日公開の後半で。

取材・文/川辺美希 写真/北山宏一