2018年2月の発売以降、炭酸水で割るだけで居酒屋の味が楽しめるリキュールとしてお酒好きに売れている「こだわり酒場のレモンサワー」。500ml入りの瓶商品「こだわり酒場のレモンサワーの素」の開発ストーリーを聞いたインタビューに続き、今回は、ヒット継続の理由、そして缶のジャンルでの挑戦などの次なる一手について、サントリースピリッツRTD・LS事業部事業開発部の永尾真紀さんに聞きました。
(上)サントリー レモンサワーの素 計画10倍超の大ヒット
(下)サントリーの大ヒットレモンサワー おじさん以外も虜に ←今回はここ
レモンサワーの妖精がスポーツ新聞社で魅力発信
瓶入りタイプの「こだわり酒場のレモンサワーの素」は当初の年間販売計画だった3万ケースを大きく上回り、2018年8月末には予定の10倍以上となる38万ケース(1ケース=500ml×12本換算)を発売。2019年は年間60万ケースを超え、リキュール市場でダントツのヒット商品が誕生した。さらに派生商品の缶入りタイプも当初計画の5倍近くの978万ケース(1ケース=250ml×24本換算)を販売した。一時的なヒットにとどまらず、好調を維持できた理由について、開発担当者の永尾真紀さんに教えてもらった。
「こだわり酒場のレモンサワー発売のタイミングで話題を集めたのが、テレビCMでした」(永尾さん)。CMでは俳優の梅沢富美男さんが黄色の全身タイツとレモンのかぶりもので、レモンサワーの妖精「レモン沢富美男(れもんざわ とみお)」に扮して、商品の特性について世の中に発信するという、インパクトのあるプロモーションを展開した。
「私も最初は、全身タイツの妖精の企画に『ここまでしていいんだろうか』と不安でした(笑)。でも、炭酸水で割る新しいスタイルを伝えるために何より大切なのは、印象に残ること。幅広い世代に対して説得力を持つ梅沢さんに、大胆に、おいしいと伝えてもらうことが必要でした」
50代以上の男性にも認知してもらうために、発売のタイミングで、レモン沢富美男さんと一緒にスポーツ新聞社を回った。「あの格好で記者クラブに訪問し、『お姉ちゃんのことだけじゃなくて、俺の記事を書け!』と暴れてもらいました(笑)。記事で取り上げていただいて、スポーツ新聞を読んでいる40代以上の男性に深く響きましたね」