「○○のエサ」と言われたが食べると「おいしい」

 パリパリ無限キャベツの試作品が完成すると、実際に小売店に売ってもらう営業職を対象に、社内で試食会を実施。「最初は、『鳥のエサみたい』というひどい反応でした(笑)。でも実際に食べてみたら、『これはおいしい!』『食感がいいね!』と言ってもらえて、自信がつきました」。営業や流通からは、意外なポイントでも評価を得た。「これまで私たちが開発してきたチルド商品は、売り場が冷蔵のエリアに限定されます。ただ、パリパリ無限シリーズは、常温で150日保存できる商品。冷蔵売り場だけでなく、常温の売り場や青果売り場でも陳列できるのも、新しい売り場の創造ができると喜んでもらえましたね」

「予想をはるかに上回る売れ行きで、生産が追いつきませんでした」
「予想をはるかに上回る売れ行きで、生産が追いつきませんでした」

 試作品の反応が良かったため、もやしと混ぜる「パリパリ無限もやしのもと」も同時に開発。野菜をゆでるというひと手間は加わるが、安定した価格で手に入り、切る手間もないことから、もやしがもう1つの定番品に決定した。

 商品開発のスタートから半年後の2018年2月末に、パリパリ無限シリーズは2食入り2品体制で発売。追加発注が来ても対応できる体制を整えておいたにもかかわらず、予想をはるかに超える売れ行きで、生産が追いつかないという事態に発展する。体制を立て直してヒットを継続させた秘訣については、後編に続く。

取材・文/川辺美希 写真/北山宏一