野菜と混ぜあわせるだけで、やみつきになるおかずを1品作ることができる「パリパリ無限シリーズ」。揚げ麺市場を倍にする異例の大ヒットを記録したこの商品は、2018年2月の発売以来、なぜ今も引き続き幅広い支持を得ているのだろうか。商品が市場に登場してからヒットを継続させてきた理由について、東洋水産の低温食品部チルド企画課、澤田舞夕さんに話してもらった。

(上)乾麺市場を倍にしたマルちゃんパリパリ無限シリーズ
(下)マルチャンパリパリ無限 緊急休販乗り越え定番に ←今回はここ

 前編でご紹介した「パリパリ無限キャベツのもと」は、2018年2月から2019年12月までで1500万食を突破。そのおいしさからリピーターを呼び、さらにTwitterなどSNSの口コミで評判を拡大していった。当初の予想をはるかに上回るヒットを記録したため「工場の生産が追いつかず、急きょ、九州エリアを除き緊急休売せざるを得なくなり、お客様や流通の皆さんにご迷惑をかけてしまいました。商品も最初はキャベツともやしの2品体制でしたが、供給体制を立て直し、キャベツ1品で再スタートを切りました」と澤田さんは振り返る。

 「揚げ麺ジャンルのメインは皿うどんで、もともと小さな市場。数字で見ると、大ヒットしたマルちゃん正麺などの即席麺には及びませんが、揚げ麺の市場全体が2倍に伸びるほどのインパクトでした」と澤田さん。思わず誰かに伝えたくなる意外なおいしさは、SNSとの相性もよかった。「影響力のある著名人の方々が、メディアやSNSで取り上げてくださったのも大きかったです。その方々のファンが買ってくださって、一気に評判が広がりました」。揚げ麺の分野だけでなく、東洋水産の全商品の中でも、これほど長期間にわたってメディアやSNSで取り上げられ続けるアイテムは異例だという。