究極のキレイを実現したい

 アタックZEROが目指したのは、「究極のキレイ」の実現だ。今、衣料用洗剤のジャンルで多いのは、洗浄力を特化したものや消臭タイプ、部屋干し用など、目的を絞った製品。ただアタックZEROは、汚れや臭いといった洗濯に関するユーザーの悩みをすべて解決することを目指したという。「衣類にとって大切なのは、洗濯した後に何も残さないこと。落ちにくい汚れや生乾き臭だけでなく、洗剤残りもゼロにする、3つの「ゼロへ」を目指す『ゼロ洗浄』を実現しました」

<ヒットを生み出したワケ>1 ユーザーの悩みを解決する「究極のキレイ」を追求

化学繊維の汚れにも注目

 またアタックZEROは、機能性インナーやノーアイロンシャツなどで普及する化学繊維の汚れもしっかり落とすという特徴がある。「化学繊維は、親水性の綿とは違い親油性で、油汚れがくっつきやすく落ちにくいという性質を持っています。従来の洗剤は綿の衣類の汚れを落とす前提で作られていますから、実は、化学繊維の汚れは綿の衣類の半分以下しか落ちていないこともあったんです」と山本さん。

アタックZEROの主成分、バイオIOSは化学繊維の汚れもしっかり落とすのが特徴。開発に10年かかった
アタックZEROの主成分、バイオIOSは化学繊維の汚れもしっかり落とすのが特徴。開発に10年かかった

 衣類に何も残さず、化学繊維の汚れも落とす洗浄力を実現したのが、花王が開発に10年をかけ同社史上最高の洗浄基剤と誇る「バイオ IOS」という界面活性剤だ。アタックZEROはこのバイオIOSが主成分として使われている。

 「バイオIOSは、化学繊維の油汚れにも的確に吸着します。さらに水によく溶けるため、汚れを取った後、すばやくすすぎの水と共に流れていきます。油に吸着しやすい親油性の特長と水に溶けやすい親水性の特長、どちらかを立たせ過ぎてしまうと、汚れが取れなかったり、汚れに吸着してもすすぎのときに水と共に流れていかなかったりと機能が偏ってしまいますが、バイオIOSは水にも油にもなじみやすい分子構造。この最新技術が、油汚れも臭いも、洗剤もゼロを目指すゼロ洗浄を実現しました」

 なお、バイオIOSの原料は、アブラヤシから食用油を採取する際の搾りカス。これまで用途が限られていた油脂を使った、環境に配慮した洗剤であることも大きな特徴だ

<ヒットを生み出したワケ>2 普及する化学繊維の汚れもしっかり落とす新技術