目指したのは大人のためのミルクティー

 紅茶市場を伸ばすという目的に取り組む上で参考にしたのは、コーヒーのサブカテゴリーだ。紅茶と同様に嗜好性が高いコーヒーの市場は、ブラック、微糖、ラテといったサブカテゴリーが定着している。紅茶市場でも、無糖、微糖などのジャンルが定番化すれば市場規模が拡大すると加藤さんは見込んだ。

 ザ・マイスターズが目指したのは、甘くない大人のためのミルクティーだ。その理由は、メインターゲットとした30~40代女性の嗜好の特性。「清涼飲料に対する嗜好を年代別に調べると、10~20代は甘い飲み物を好む人が多く、30代半ばで甘くない微糖や無糖飲料を選ぶ傾向にシフトします。この変化にこそチャンスがあると目をつけました」

「10代、20代は甘い飲み物を好む人が多く、30代半ばで甘くない無糖の飲料を選ぶ傾向にシフトします。この変化にこそチャンスがあると目をつけました」
「10代、20代は甘い飲み物を好む人が多く、30代半ばで甘くない無糖の飲料を選ぶ傾向にシフトします。この変化にこそチャンスがあると目をつけました」

 午後の紅茶の定番は、ストレートティーとミルクティー、そしてレモンティーの3種類。今の30~40代は午後の紅茶を10代から愛飲してきた世代だが、大人になるにつれて、その甘さから離れていく人も多いという。「若い頃飲んでいた『午後ティー』は自分には甘すぎると思っている人も多く、そのイメージを払拭したかった」と加藤さん。ボトル入り紅茶飲料の中で最も間口が広いミルクティーで、まず甘くない商品を作ろうと開発をスタートした。商品設計で目指したのは、30~40代の女性が、仕事中などに時間をかけて飲める甘すぎない飲み口だった。