栄養バランスが考えられたおかず入りのおにぎりが作れる、味の素の冷凍食品「おにぎり丸」。子育て家庭を中心に人気を集め、シリーズ累計販売2000万個突破という冷凍食品異例のヒットを記録している。ヒット商品誕生の裏側を聞いた前編に続き、味の素冷凍食品製品戦略部の竹岡千賀さんに、発売後の人気を継続させた施策について聞いた。

(上)味の素冷凍食品おにぎり丸 2000万個販売の舞台裏
(下)冷食異例の人気おにぎり丸 あえてサイズを小さく改良 ←今回はここ

累計販売2000万個おにぎり丸<ヒットを持続させたワケ>①スポーツ大会の実演試食で手軽さとおいしさを伝える/②女性や子どもの手でも握りやすいサイズに見直し/③大人も満足する具材のラインナップを追加/④SNSのレシピ発信やコラボレーションで話題を獲得

スポーツの合間にワンハンドで食べられる手軽さ

 2017年2月に登場した「おにぎり丸」は、マーケティング担当者たちも予想しなかったペースで売れた。発売直後から現在に至るまでの継続的な人気を支えるのは、店頭や子どものスポーツ大会での施策だった。店頭では、動画で作り方を紹介しながらの試食販売を実施。また店舗のイベントスペースや、スポーツ大会で試食の機会を作り、発売から2年ほど続けた。「地域の小さいイベントから大きなスポーツ大会まで、幅広く参加させてもらいました。スポーツの試合や練習の合間に食べてもらって、ワンハンドで食べられる手軽さと、食べ応えやおいしさを実感してもらえましたね。市場になかった商品だからこそ、お客様との距離を縮める施策にとにかく力を入れました」と竹岡さんは話す。