三菱鉛筆のカラー芯専用のシャープペンシル「uni Color(ユニカラー)」。発売から5カ月で100万本のヒットを記録し、カラーシャープペンシル市場を切り拓いている。勉強する際にシャープペンシルをよく使う学生や、手帳に親しむ働く女性たちを中心に支持を集めるこのアイテム。カラーシャープペンというニッチな筆記具がなぜこれほど人気を集めたのか、商品開発部の甲斐千春さんに話を聞いた。

ライバルがほぼゼロだったカラーシャープペン

 三菱鉛筆の「uni Color(ユニカラー)」は、カラー芯専用のシャープペンシル。黒い芯より硬度がやわらかいカラー芯をやさしくつかみ、傷つけない設計がされているのが大きな特徴だ。

 これまでもカラー芯は、絵を描く人やシャープペンシル愛用者に親しまれてきた定番商品だ。ユーザーは自身が持つシャープペンシルにカラー芯を入れて使っていたが、カラー芯は黒芯に比べて折れやすいという課題があった。また、シャープペンに入れてしまうと中にどのカラーの芯が入っているかわからない。そこで商品開発部で、自身もカラーシャープの愛用者という甲斐さんは「カラー芯専用のシャープペンシルを開発しよう」と思い至る。「カラー芯専用のシャープペンは他メーカーからもほとんど発売されていなかったので、ニーズはあると考えました」

注目
(1)カラー芯専用のシャープペンという他にない商品を思いついた

 さらに甲斐さんが考えたのは「カラーシャープペンシルはもっと多くの人に使ってもらえる可能性があるのではないか」ということ。同社のカラーシャープペンシルは書き損じを消しゴムで消せることや、ボールペンでは出せない濃淡の味が出せることも魅力だ。手帳に書き込んだり、ノートを取ったりする際にも使い勝手がいい。そこで、幅広い層に訴求するために試行錯誤を重ねた。

7色全部そろえても税抜き価格700円という価格の安さを追求した
7色全部そろえても税抜き価格700円という価格の安さを追求した

 まずこだわったのは、価格を抑えること。ユニカラーは、1本税抜き価格100円。7色展開していて、7本すべてそろえても700円だ。

「ユニカラーをもっと多くの人に知ってもらいたい」と話すのは開発を担当した甲斐さん。商品開発一筋20年以上というベテラン
「ユニカラーをもっと多くの人に知ってもらいたい」と話すのは開発を担当した甲斐さん。商品開発一筋20年以上というベテラン