企画担当者はマスキングテープ愛用者

 商品企画部の間宮亜季さんは、2018年入社。2017年に発売されたテープカッター カルカット(クリップタイプ)の商品企画担当を引き継いだ。歴代の企画担当は、マスキングテープの愛用者だ。マスキングテープを手帳やメッセージカードなどに日ごろから使う人が増える中、簡単に付け替えられるテープカッターを作ろうと、商品開発がスタートした。

 クリップタイプというアイデアを生んだのは、テープカッターの商品開発担当者だった。「常に使いやすいカッターのことを考えているのが、テープカッターの開発担当。デスクにあったクリップを手にして、これをマスキングテープにセットして使うことはできないかという発想が生まれました」と間宮さん。このアイデアをスタート地点に、マスキングテープのユーザーへの市場調査を実施。気軽に使えるテープカッターへのニーズが高いことが分かり、商品化が決まった。

デスクにあったクリップを手にして、マスキングテープカッターを思いついた
デスクにあったクリップを手にして、マスキングテープカッターを思いついた

ヘビーユーザーが感じている不満に着目

 調査では、マスキングテープをよく使う20代~40代の女性ユーザーと社内のマスキングテープ愛用者、合計87人に詳細なインタビューを実施。「簡単に付けられる」という特性に需要があるのか知るために、6個以上のマスキングテープを所有している人に対象を絞った。その結果、9割の人がマスキングテープを手やハサミを使って切っていることが判明。「ヘビーユーザーからは、手でテープを切るとキレイに切れない、テープを切るためにハサミを取り出すのが面倒だという声が多く集まりました」と間宮さんは振り返る。