ミスト状に広がる洗剤をバスタブにかけて60秒待ち、シャワーで流すだけで掃除ができるライオン「ルックプラス バスタブクレンジング」。2018年秋の発売後、他社の独り勝ちだった市場の競争環境を変える、大ヒットを記録した。ライオン ヘルス&ホームケア事業本部リビングケア事業部の武藤美穂さんと、ブランドマネージャーの宮川孝一さんにヒットが継続した理由と、商品の魅力を伝え続ける取り組みについて語ってもらった

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SNSで広がった感動体験

 2018年9月に発売した「バスタブクレンジング」は、発売直後から大ヒット。発売後1カ月間の売り上げは、ライオンが予測した当初計画の2倍以上を記録した。「シューッと満遍なくかけて60秒待つだけ、バスタブはもう、こすりません!という、シンプルでインパクトあるCMのコミュニケーションがうまく届いて、発売初期から順調に売れました。課題だった他社との競争環境もかなり改善しましたね」と、武藤さんは言う。

 発売してすぐのヒットを支えた要因の1つは、SNSによるユーザーの体験シェアだった。「こすらずに洗える」というCMでも使ったキャッチーな宣伝文句がSNSで話題を呼び、半信半疑で試してみたユーザーの体験談が、SNSにあふれた。「どうせ落ちないでしょと思っていたけれど、本当にこすらないでつるつるに落ちた!」「使ってみたらお掃除が楽になった」「おなかが大きい妊婦の私にもピッタリ」。生活が変わったという声や、高齢者や妊婦の身体的な負担が軽くなったという反響もあった。実際に使ってみたら驚いたという感動経験と、誰かに教えたくなる便利さは、SNSとの相性が抜群だった