プレミアムロールケーキを超える売り上げを記録

 3月後半という発売日の設定にも狙いがあった。春は、新生活や新学期が始まるシーズン。「引っ越しや生活スタイルの変化のタイミングで新たに出会った商品は、その後の日常に溶け込み、継続的に買ってもらいやすいんです」と東條さんは言う。

「40代~50代の購入も多く、全世代に受け入れてもらえました」
「40代~50代の購入も多く、全世代に受け入れてもらえました」

 そしてついに発売を迎えたバスチーは、3日で100万個の売り上げを記録。発売5日で100万個だったプレミアムロールケーキの勢いを超えた。「実験販売の反響である程度予測はしていましたが、発売後の勢いには本当にビックリしました。SNSを見ていても、食べてみたらおいしいと話題になって、すぐにみなさん買いに行ってくれた感じでした」。2社供給体制ながらもバスチーは品薄になり、売り切れの店舗も出た。当時メディアで、2019年に次に来るスイーツとしてバスク風チーズケーキが取り上げられていたことも、ヒットの追い風になった。

3、新生活が始まる春に発売してリピーター獲得を狙う

 購買層が予想以上に広かったことにも驚いた、と東條さんは言う。「幅広い層に食べてもらえる商品を目指していましたが、特に20~40代の女性を意識していました。ところが、男女ともに40代、50代の方の購入が多かった。バスク風チーズケーキのことは知らなくても、普通においしいチーズケーキとして受け入れてくださったことがうれしかったです