発売3日間で100万食、累計3200万食という、プレミアムロールケーキを超える勢いで大ヒット。コンビニスイーツファンに支持されているのが、ローソンのバスク風チーズケーキ「バスチー」だ。ヒット商品の完成までの道筋について聞いた前回に続いて、発売後のヒット継続の理由を、ローソンの中食商品本部シニアマーチャンダイザーの東條仁美さんに話してもらった。

(上)ローソンのスイーツ「バスチー」 3日で100万個販売
(下)過去最大の量産体制でも品薄に 新スイーツ「バスチー」定番化のワケ ←今回はここ

予想を超える売り上げ 急ピッチで2社供給体制を確保

 原料や配合、焼き方の調整や、工場生産のクオリティー確保を経て、ついに完成したバスチー。2019年3月後半の発売を控えて、東條仁美さんは2月初旬に、一度目の試験販売を実施した。その目的は、市場の反応を見ること。「商品のおいしさに自信はありましたが、やっぱりまだ、これまでなかなか定番商品として定着しなかったチーズケーキの新商品を不安視する声もありました。実験販売の結果で社内を安心させたかった」と東條さんは言う。

ヒット継続の理由/・感動からリピートにつながる価格設定/・ローソンのスイーツ初の工場2社体制で量産/・新生活が始まる春に発売してリピーター獲得を狙う/・味変えではなくバスチーのおいしさを生かす付加価値を

 エリア限定で行った実験販売の結果は、2009年に発売して大ヒットしたプレミアムロールケーキを上回る売れ行き。用意した商品はほぼ完売した。2月下旬の2回目の実験販売では価格の受容性を判断するため、195円、215円、245円という3段階の値段に分けて販売。コンビニスイーツの価格帯は100円台が主流だが、バスチーは200円を超えても売れた。「200円台でも大丈夫だと確信しました。245円でも買っていただけたんですが、コンビニの他の商品との買い合わせや、リピート率を考えて215円に決定しました」

1、感動からリピートにつながる価格設定