育児休業給付金は休業前給与の67%

 育児休業給付金がもらえる額は、休業前半年間の平均給与の67%(育休開始から6カ月経過すると50%)となります(上限あり)。先ほどと同じ例で、仮に給与がずっと30万円だった場合、子どもが1歳になるまで育児休業を取っていれば、総額で約182万1000円になります。

 さらに、産休・育休中は、社会保険料の免除制度もあります。免除されても、将来もらえる年金額を計算するときは、保険料を納付したものとして取り扱ってもらえるので、ダブルでお得といえます。

 こうした制度がありながら、出産を機にみすみす退職してしまうのは大変もったいないことです。もちろん、復職を前提としているので、その点は誤解のないようにしてもらいたいですが、戻れる場所がある、という安心感もありますので、ぜひ活用してもらえたらと思います。

 ただ、注意点がひとつだけ。こうした恩恵を受けられるのは、会社の健康保険や雇用保険の被保険者である人に限られてしまうという点です。例えば個人事業主・フリーランスの人は、現状の制度においては、産休期間における国民年金保険料の免除や出産育児一時金の制度は活用できますが、出産手当金や育児休業給付金が対象外となってしまいます。

 長期的なキャリアを描くときには、こうした点も併せて検討してみるといいかもしれません。

 とはいっても、人生には想定外のことがたくさんあります。実際にはその時々で状況を見て判断していくことになりますが、参考までに頭の片隅に入れておいてくださいね。

文/佐佐木由美子 写真/鈴木愛子