妊婦さんに対する理解が深まった

 妊娠してよかったと思うのは、妊婦さんの気持ちを本当の意味で分かるようになったこと。本で読んだり、人からの経験談を聞いたりして知ることと、身をもって経験することはだいぶ違いました。「臨月っておなかがこんなに重くなるんだ」「夜、こんなに寝られないなんて」「朝起きるのがここまでつらいなんて」と驚いたことも。

 妊娠前にも街で妊婦さんを見ると、気にかけてはいましたが、妊娠後は今まで以上に「特別なケアが必要な存在」だと思いました。「電車でちょっと立っているだけでもつらいんだろうな」「人がたくさんいるとぶつかりそうで怖くないかな」と細かいことまで気になります。妊娠中は体や心がどんどん変化するので、「このぐらいの周期にはこんな変化が起こるんだ」ということも理解できました。

 食事のときは、生肉や生チーズ、生ハムなど避けなくてはいけない食材もあるし、生活の中でも、泥や動物(特にネコなど)に気を付けなくてはいけないことも初めて知りました。十分に加熱されていないお肉や洗っていない果物・野菜にトキソプラズマという原虫が付着していることがあるそうです。ネコに付いていることもあります。これが胎盤を通して胎児にうつると、脳や目に障害を持つ赤ちゃんが生まれることがあると聞きました。

 それから、「妊娠中はコーヒーを飲んではいけない」と思い込んでいたのですが、1日3杯(WHOによれば1日300g)までなら問題ないと知りました。私は普段から1日に3杯も飲まないので、「思っていたより飲めるんだな……」と安心しました。