4月に新著『子供がずっと欲しかった 事実婚妻が体験した妊娠・出産のこと、全部。』を発売したはあちゅうさんは、夫と事実婚した後、妊活を経て、無痛分娩で昨年9月に第1子を出産しました。「人生全部コンテンツ」をモットーとする、はあちゅうさんが新著に込めた思いとは? 第2回のテーマは「妊娠前~出産後に考えた夫との関係」です。

「どんどん太れ。戻すのは俺が一緒にやる」

 妊娠中、太ることに不安を感じた私に、夫がこう言ってくれたことがあるんです。

 「痩せるほうが簡単だから、どんどん太れ。戻すのは俺が一緒にやる」って。

 私は過去にやせようと思い過ぎて体を壊してしまった経験もあって、妊娠を機に太ることが少し怖かったし、産後にやせるのは難しいという思い込みもありました。でも夫はずっとボディビルディングでボディメイクしてきた経験の持ち主。そんな夫が「痩せるほうが太るよりずっと簡単なんだぞ」と言ってくれて心が軽くなりました。産後、体重を戻すために、何か一緒にやってくれたというわけでは全然ないんですけれど(笑)。

男性と女性って決定的に分かりあえない存在

 この本(新著『子供がずっと欲しかった 事実婚妻が体験した妊娠・出産のこと、全部。』)には、夫への愚痴は少なめにしました

 実際は、妊娠・出産を通して「男性と女性って決定的に分かりあえないんだな」と感じる場面は何度も経験したんです。そんなときは、育児エッセイやパートナーシップに関する本とフェミニズムの本を読みあさっていました。

 それでもこの本に夫とのネガティブ・エピソードを盛りだくさんにはしなかった理由が2つあります。

 1つ目は、これは私の本なので、夫に対する愚痴が一方的になってしまうから。夫には夫の視点や考えがあるだろうから、私の言い分だけではフェアではない。応戦できるSNSや対談記事だったら、また違ったかもしれません。

 2つ目は、妊娠中に古今東西の女性の書いた妊娠・出産・育児本を読んだ結果、かなりの割合で、夫に対する愚痴が書かれていました。そして、読んだ私のほうが「産後は夫と不仲になっちゃうんだ」「男の人って育児を手伝ってくれないんだ」と、まだ経験してもいないうちから夫や男性全般に対する嫌悪感が蓄積してしまって、夫との雰囲気がピリピリしてしまったんです。

 たぶん私の本を手に取ってくれる人の中には、これから妊娠する人や妊娠を考えている人もいるはずなので、そうした恐怖を過剰に押しつけたくないんです。

 確かに産後クライシスを経験する人は多いでしょうし、実際、私も今それを感じていますが、それはその経験をしたときに、また別の本を読んで解決していただければいいかなと思っています。この本には、できるだけ「妊娠って楽しみだな」と思える要素を増やしたかったんです。

髪の毛をあじさいカラーに染めました。息子はもうすぐ1歳になります
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