日経xwoman doorsで自身のキャリア、事実婚、出産、仕事と育児の両立について赤裸々に語ってきた、はあちゅうさん。2022年9月末に事実婚の解消を発表しました。その裏側にある思い、今の心境、これから描く未来図について語ります。

(上)夫婦関係解消のはあちゅう 私が休婚を選択したワケ
(下)はあちゅう 夫婦関係解消 新しい家族模索したい ←今回はここ

精神的に近くなりベタっとしているので、距離を置いて乾かしている

 夫にはすてきなところがたくさんあって、私が落ち込んだときに笑わせてくれるというのもその一つでした。でも、この結婚を経て、私が強くなって、ちょっとやそっとでは落ち込まなくなってしまった。夫婦はお互いに似るというから、彼のいいところ(明るくて強いところ)を分けてもらったんだと思ってます。それから、育児が始まって、自分のことにかまっていられなくなったのもありますね。自分のことで悩む暇がないから、深く落ち込むことがあまりなくて。

 今でも、夫が解決策を提案してくれたり、励ましてくれたりというのはあります。でもそれは夫婦でなくても、友達でもできることです。だからこそ「夫婦って何?」「愛って何?」「結婚って何?」という問いに、私はぶつかってしまいました。

 相手に対する感情が「嫌い」100%だったら、「やばいやつでしたよ。離婚してせいせいしました!」と言っていたかもしれませんが、全然そうではないんです。いいところがたくさんあるし、笑わせてくれるし、彼にしかできないこともある。だから、こんな未練のある言い方になる。まだ好きだから、休婚という変な言い方になってしまう。周りからすれば「何でこの人たち、離婚したの?」と思うかもしれませんし、みんなを納得させられるビシッとした離婚の理由説明もできません。言葉にしようとすれば「『夫』とか『妻』とか『結婚』とかに疲れた」になるんですが、これも、「離婚の理由にするほどのこと?」と思われるかもしれませんね。

 もしも今、ここを彼がたまたま通り掛かったとしても、今まで通り、「今、取材を受けているよ~」って笑顔で話すぐらいの感じです。ベースの信頼関係はお互いにまだあるんです。でも、一緒に生活したら険悪な瞬間がまたきっとあります。もしかしたら共依存(*)の関係になってしまったのかもしれません。精神的にお互いに近くなりすぎてベタっとしているので、今は距離を置いて乾かしている、って感じですかね。

 改めて言うのも変な感じですが、私は彼のことをとてもよく理解していると思っています。もちろん分からない部分もありますが、ほかの誰よりも、彼のいいところ、悪いところ、得意、不得意も分かっている。夫婦の形、家族の形って、本当に人それぞれ。ずっとけんかしていて、それでも「夫婦」でいられる人もいるけれど、私はけんかも自分を押し殺すのも苦手です。だから、今はお互いに自立したまま、良い関係を築くための実験期間ですね。

*共依存…お互いの関係性に依存しすぎて、自分自身を見失っている状態