ビジネスシーンで今すぐ役立つノウハウをお届けする「日経doorsアカデミー」。魚住りえさんによる「話し方」編の第2回は、「いい声」を身に付ける基本になるエクササイズを教えてもらいます。

「自分の声が嫌い」という人へ

 こんにちは、アナウンサーで、ボイス・スピーチデザイナーの魚住りえです。前回記事(オンラインで損する話し方 4大NGと処方箋 魚住りえ)では導入として、コロナ禍で急速に浸透したオンライン会議での話し方のコツをお伝えしました。その中で、オンラインでもリアルでも共通して大切なポイントの一つに挙げたのが、「声そのもの」の質です。

 「いい声であることが大事」と言った途端、後ろ向きな気持ちになってしまう読者もいるかもしれません。なぜなら、「自分の声が嫌い」という人はとても多いからです。でも、安心してください。私も同じです。

 私は高校時代、放送部に所属していたのですが、録音した自分の声を初めて聞いたときのショックは今でも忘れられません。想像していたよりも低くて、ガサガサしていて、当時はすでに声優やアナウンサーなど「声を使う仕事」に関心を持っていたのですが、「自分には無理なのかもしれない」とさえ思いました。

 そんな私だからこそ言えるのは、「練習すれば、いい声は誰でも出すことができる」ということ。

 口角を上げ、おなかから声を出し、日ごろ家族や友人と会話をするときよりも少し高いトーンで話す――。前回記事でお話した通り、そんなちょっとした意識を持つだけでももちろん、声の印象は変わります。ただ、それをより確実に、安定して実践できる状態をつくっていくためには、基本的なトレーニングの仕方を知っておくといいと思います。スキマ時間で気軽にトライしてみてくださいね。

声と印象の関係、基本の訓練方法は次ページ以降で解説!
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