ビジネスシーンで今すぐ役立つノウハウをお届けする「日経doorsアカデミー」。「話し方」編の最終回は、スピーチの場でつい出てしまう口癖を封じる方法、雑談への苦手意識を払しょくするコツなどを教えてもらいます。

つい飛び出してしまう口癖の悩み

 こんにちは、アナウンサーで、ボイス・スピーチデザイナーの魚住りえです。これまでの連載を通して、いい声を鍛えたり、聞き手の心を動かす話し方を身に付けたりするための実践的なトレーニングを紹介してきました。

 効果は一朝一夕ではなかなか表れてこないものですが、毎日数分でもいいので続けていくことで、変化を実感できるようになっていきます。朗読はリフレッシュにもつながりますから、身近にある文章を使って、気軽に取り組んでみてくださいね。

 さて、最終回は、ビジネスパーソンの皆さんによくある「話し方の悩み」を解決する、簡単なコツを紹介していきたいと思います。

 1つ目は、フォーマルな場でついつい飛び出してしまう口癖について。気が付いたらこんな話し方になっている人、いませんか?

「今回なぜ、この提案をするかというと、そもそもなんか、競合他社と比べるとなぜ当社だけがやっていないのかという話があると思っていて、えっと、お客様からも質問とか要望をいただくことがとても多い状況もあったりして、今年はなんか、予算に余裕があるということでしたので、それであればあの、やったらいいのではないかと、ええっと、今回のプレゼンをさせてもらっているのですが……」

 文字にすると大げさに映るかもしれませんが、「なんか」「ええっと」といった意味のない言葉を、話している中で連発してしまう人は多いです。聞き手としてみると、頼りなく、要領を得ない印象を受けてしまいますよね。次ページから、対処法を解説していきます。