日経doors編集長のコラムです。編集長の鈴木陽子が普段の取材活動や編集部での出来事、日常生活などを通じて得た気付きをつづっていきます。

 皆さんこんにちは、日経doors編集長の鈴木陽子です。いつも日経doorsをお読みいただき、ありがとうございます。先月、編集長コラムをスタートしました。前回は、6月号特集「どう産む・どう働く」にちなんだ個人的経験をつづったのですが、doors世代から質問を受けましたので、今回は、そこから話をしていきたいと思います。キャリアと出産・育児についてのお話、どうぞお付き合いください。

 その質問とは、パートナーについてでした。「妊活をやる・やらない」は、「今は産まない・そろそろ産もうかな」という私の気持ちの移り変わりがあっての行動でしたが、パートナーはどんな意思表示をしていたのか、「産む・産まない」を私一人の意思だけではなくパートナーと一緒に決めていたのか、という質問でした。

家庭は「共同作業」のはず…

 正直、私が「産まない」「産みたい」を決めていました。質問をしてくれた人にはちょっとガッカリさせてしまったようです。

 私のパートナーは、私以上に、不妊や老化に対する危機感はまったくなかったと言います。「いやいやまだ行けるでしょ、自分たち元気だし」という発想だったそうです。なので、私が「子どもはまだだな」という意思を示したら同調し、「そろそろ」と意見を変えたらそれにも同調していました。二人で話し合ったわけではありませんでした。

 でも、doors世代らしい質問だったと思います。家庭づくりはいわば夫婦の共同作業。こういう質問が出たのは、いつ妊娠して出産するかをきちんとパートナーとも共有したいという気持ちの表れ。とても頼もしく思いました。

 あらかじめパートナーと育児スタイルや家庭像、暮らし方を共有していれば、かなり楽になると思うのです。それを結婚前からしっかり考えているとは……。doors世代の人たちの自分の人生に対するマインドの高さにはいつも感心させられます。

 その質問から、意識の共有の大切さを改めて実感しました。「いつどんな段階で子どもを持つのか、子どもを持ったあとはどうするのか」――パートナーと共有しておくことはとても大切。私はその作業を怠りました。