デジタル化に関心を持ったきっかけ

 「3D smart & try」のプロジェクトに取り組む前に、デジタルの分野は未経験。接客のデジタル活用に関心を持ったきっかけは、女性向け下着通販等を展開するピーチ・ジョンでの新しい出会いでした。

 ピーチ・ジョンに若年層向けのブランドマネージャーとして出向したのは30代前半のとき。当時のスタッフは大半が20代前半でトレンドに対する感度が高く、2017年に「インスタ映え」が流行語大賞になる前から、スマホやインスタを使いこなし、マーケティングに活用していました。

 そのころの私はどちらかというと、自分で考えたプランを自らが率先して動いていくタイプ。しかし、若手メンバーの発想に感動し、メンバーの意見を反映しながらデジタルを活用した新しい取り組みに挑戦したところ、SNSマーケティングに大きな手応えを感じました。「誰かとチームを組んで仕事をするのは、発見があって面白い」と、チームビルディングへの意識が変わりました。

 5年前に出産と産休・育児休業を経験したことも、「3D smart & try」のインスピレーションの1つになりました。私は入社してから子どもを産むまでの10年間、キャリアの道を走り続けてきました。でも、育休中にふと立ち止まって世の中を見渡してみると、デジタル化が進んだことによって、生活が本当に便利になったことを実感したんです。これから仕事と子育てを両立するためには、デジタルの利点を上手に活用することで道は開けるのではないかと感じました。仕事に復帰した後にも、組織の中で存在感を示せるようなスキルを身に付けたいと思い、本を読むなどして勉強しました。

「AかBで悩んだら、Cを探す」

 育休明けの仕事復帰先では、慣れている業務を希望するか、子育てを重視して事務作業中心の業務を希望するか、育児と仕事の両立が初めてという状況もあり、悩みました。結果的には業務に慣れてもいないし、ハードワークになる可能性の高い、当時できたばかりのオムニチャネル戦略推進部で新規事業に携わりたいと希望を出したんです。なぜ第三の選択肢に進んだかというと、大学時代、アメフト部のマネジャーをしていたときに監督から言われた、「AかBで悩んだら、Cの答えを探す」という考え方を持っていたから。「悩むということは、どちらも違う」と思い、どちらでもない道に進む決断をしました。