9つの「心のエンジン」でやる気アップ
「誰もが持っている心のエンジンは全部で9種類。いい悪いはなく全部が素敵なエンジンであり、いろいろなエンジンがあるからこそ職場として多様性が生まれます。このエンジンを把握し、一人ひとりの違いに目を向けるのが、年齢や性別にとらわれず、チームをうまくまとめるポイントです」と臼井さん。
「違いを知るには、コミュニケーションを取るのも大事ですが、どういうときにモチベーションが上がるか、普段どういうコミュニケーションを取っているかを観察しましょう。メンバーだけでなく、自分自身の傾向を自覚することも大事。目標を持たされると頑張れる人もいれば、自分らしさを認めてくれたときにうれしさを感じる人もいます。自分の感じ方は相手も同じと思いがちですが、その人のモチベーションの源泉は何だろうと意識することで、どういうふうに接したらいいか、どういう仕事を任せたら生き生きと働けるかが具体的に見えてきますよ」
相性が合わない部下と接するときや、チームワークがうまくいかないときに見返して、関係を改善するヒントにしてみては。
<心のエンジン 9つのタイプ>
A 改革する人(理想主義)
動機=自分自身を改善し、より良く生きたい
→特徴
・理想を高く持ち、それに向かって努力を惜しまない
・自分や他人の欠点が目につきやすく、指摘したくなる
・正しくありたいという気持ちが強く、弱みを見せたくない
→モチベーションが上がる仕事の場面
・目標通りに、物事が完璧に終わったとき
・規則正しく、秩序の保たれた環境にいるとき
→モチベーションが下がる仕事の場面
・予定通りにいかず、急な変更や柔軟性を求められるとき
・不公平さや不正を感じるとき
B 助ける人(人間関係重視)
動機=愛されていると感じたい、必要とされたい
→特徴
・世話好きで思いやりがあり、親切
・自分のことより他人を優先しがち
・押しが強過ぎる人や論理的な人を敬遠する
→モチベーションが上がる仕事の場面
・人から助けを求められ、その結果感謝されたとき
・周りのみんなが楽しそうに笑顔でいるとき
→モチベーションが下がる仕事の場面
・身の回りで対立や争いごとがあるとき
・自分の考えや意見を主張しなければならないとき
C 達成する人(成功願望)
動機=成功して、自分に価値があると認められたい
→特徴
・目標を立て、達成し、成功したいという気持ちが強い
・トップでありたい、注目されたいという気持ちが強い
・人に仕事の結果以外を求めない場合もあり、攻撃的な言い方をしがち
→モチベーションが上がる仕事の場面
・目標が達成され、周りから称賛されたとき
・競争に勝つ、人前で発表するなど成果を出せたとき
→モチベーションが下がる仕事の場面
・ルーティンワークをしているとき
・目標がなく、自分の成長が見えづらい状況
D 個性的な人(自己表現)
動機=自分のアイデンティティーをつくりたい
→特徴
・自分の個性、感性を大切にする
・自分らしさを大切にする、独自のスタイルにこだわりがある
・感受性が強く、繊細でロマンチスト
→モチベーションが上がる仕事の場面
・自分の独自性や個性が認められているとき
・創造性がかき立てられているとき
→モチベーションが下がる仕事の場面
・マニュアル通りなどの決まったやり方で行う作業
・普通、平凡と人から思われること