E 観察する人(知識・客観性)

動機=環境をコントロールしたい、有能でありたい

→特徴

・観察・分析することが好き。世界を理解したい

・客観的で論理的。いつも冷静で気持ちも比較的安定している

・簡潔で断定的な言い方をしがち

→モチベーションが上がる仕事の場面

・興味のある分野を徹底的に探究しているとき

・自分の知識が使われ、役に立っているとき

→モチベーションが下がる仕事の場面

・論理的に納得できない指示を受けたとき

・チームで何かを行うなど、人との距離が近い状態

F 忠実な人(組織への忠誠)

動機=支えを頼りにすることで安全でありたい

→特徴

・自分の役割や責任をきっちり果たそうとする

・自分が所属しているチームや組織、仲間に対して忠実で、献身的に働く

・心配性で猜疑心(さいぎしん)が強い、慎重に行動する

→モチベーションが上がる仕事の場面

・自分や周りが、それぞれの役割や責任を果たしているとき

・秩序が守られ、安定している状態のとき

→モチベーションが下がる仕事の場面

・自分の役割がはっきりしないとき

・突然の変化や新しいやり方を採用するとき

G 熱中する人(楽しいこと)

動機=苦痛と悩みは避けて、幸福でありたい

→特徴

・活動的で外交的、いつも何かに熱中しわくわくしていたい

・行動的で、動き回りながらアイデアを生み出す

・暗い話や落ち込んでいる状態は苦手

→モチベーションが上がる仕事の場面

・新しいことにチャレンジするとき

・忙しく動き回っているとき

→モチベーションが下がる仕事の場面

・暇なときや安定した状態が続いているとき

・マニュアル通りなど、やり方に柔軟性がないとき

H 挑戦する人(権力志向)

動機=他社や環境からコントロールされず、独立を守りたい

→特徴

・影響を及ぼしたい。統率力があり、親分肌

・リスクや戦いを恐れず、突き進む

・正義や権力に関心を持ち、ときに威圧的、人に弱みを見せることを嫌う

→モチベーションが上がる仕事の場面

・自分のしたことが、周りに大きな影響を与えているとき

・決定権のある立場、権力を握れているとき

→モチベーションが下がる仕事の場面

・平穏で退屈なとき、人の指示に従わなければならないとき

・周りが指示通りに動かない、結果を出さないとき

I 平和を愛する人(受容)

動機=内面の安定と心の平和を維持したい

→特徴

・穏やかで何事もない平穏無事な状況を好む

・相手の意見に合わせようとする。時として優柔不断

・自分の意見や気持ちを表すことが苦手

→モチベーションが上がる仕事の場面

・マニュアルや手順が決まっていることに取り組んでいるとき

・誰かのサポートをしているとき

→モチベーションが下がる仕事の場面

・周りで不和やトラブルが発生しているとき

・目立つことや注目を浴びること

強みを生かすことで生まれた不公平感への対処法

 チームメンバーそれぞれの強みを生かすことで、誰も担当しない範囲が生まれてしまったり、メンバーが不公平感を抱いてしまったりしたときは、どのように対処したらいいのでしょうか。

 「実績を上げているときは、お互いに足りない部分を補い合ってよい循環が生まれやすいのですが、逆境のときほど不和は生まれがち。リーダーとしてチーム全体で現状と課題を情報共有しながら対話を重ねて、根気強くギャップを擦り合わせしていくといいでしょう」

 引き続き「幸せなキャリアをつかむ5つの行動パターン」では、偶然をチャンスに変える人の行動と考え方、20代・30代リーダーに多い悩みの対処法について臼井さんの実体験も交えて聞いていきます。

臼井淑子
キャリアコンサルタント、社会保険労務士
臼井淑子 1975年生まれ。東京大学大学院 農学生命科学研究科 修士課程修了。サッポロビールを経て、人材開発コンサルティング会社の創立期に参画。マネジャーとして法人向けコンサルティング営業および、研修講師、キャリアカウンセラーの業務に従事する。2010年に独立。企業や自治体における研修講師として活動するとともに、大学で学生向けキャリアアドバイザーにも従事。延べ3000人以上に対しキャリアカウンセリングを行う。

取材・文/加藤京子(日経doors編集部)