会社がまいた種を仲間ときれいに咲かせたい

 私は、会社というものは経営者がさまざまな種をまき、その花を咲かせるのがスタッフの仕事だと思っています。その花をいかにきれいに咲かせるかというすごくシンプルなことだと思っているんですね。この戦略をしたらこうお客さんが喜んで、売り上げがこう上がって、というふうに考えて生きてきたわけではないのです。この種をとてもきれいな花に、この人たちと一緒に育てたい。それが私のリーダーとしての思いであり、会社員人生でした。

 昨年、パラレルキャリアという選択肢を選び、視点も変わってきました。関わるプロジェクトを「成功させたい」とか、関わるスタッフに「これで成功体験を積んでほしい」とか、「利益を一緒に出したい」という気持ちが生まれるようになりました。ビジネスパーソンとして結果を出す面白さや、大変さ、責任などに改めて気づき、向き合っています。

「この種をとてもきれいな花に、この人たちと一緒に育てたい」。それがリーダーとしての思いであり、会社員人生だったと振り返る世永さん
「この種をとてもきれいな花に、この人たちと一緒に育てたい」。それがリーダーとしての思いであり、会社員人生だったと振り返る世永さん

 次回「世永亜実 やる気のない部下と尊敬できない上司への対処法」では、世永さんの並走型マネジメントスタイルについて聞いていきます。

取材・文/岩辺みどり 取材・構成/加藤京子(日経doors編集部) 写真/鈴木愛子