生理不順をはじめ、切迫早産、不妊治療、PMS(月経前症候群)など、13年間のキャリアの中で女性特有の体のトラブルを複数経験したWRAY(レイ)代表取締役 谷内侑希子さん。外資金融での営業を経験後、スタートアップ企業やPR会社で商品開発、マーケティング、経営企画など経営に必要なスキルを磨き、「女性のベストパフォーマンスをサポートする」をミッションに掲げたセルフケアブランド・WRAYを今年9月に立ち上げた。夫の海外転勤によるキャリアブランクも経験している谷内さん。ライフステージの変化に負けず、自分らしいキャリアを切り開いていく秘訣や、女性特有の体調と仕事の両立、リーダー論について話を聞いた。

(上)WRAY谷内侑希子 生理不順で自信喪失 起業を決意 ←今回はここ
(中)コロナ禍中4500万円の資金調達に成功 ゼロイチの挑戦
(下)不妊治療と仕事の両立 スキルを強みに壁を乗り越えた

経営者の母 経済的自立を常に意識して育った

 経営者という職業は、子供の頃から身近な職業でした。両親が会社を経営していて、母は3代目社長。家族の会話の中でビジネスや会社経営の話題がごく日常的にあり、経営者として活躍している母の姿を間近で見ているうちに、「いつか私もビジネスを始めるのだろうか」と漠然と想像していました。

 学生時代、周りでは女の子らしくしなさいと言われていた友人も多かったけれど、わが家では「それより自立しなさい」「働きなさい」と(笑)。小学生の頃から、「一人で生きていけるようになりなさい」と言われてきて育ちました。両親の影響もあり、大学では経営やマーケティングを専攻しました。

「女性のベストパフォーマンス」をサポートするセルフケアブランドを展開するWRAY代表取締役の谷内侑希子さん
「女性のベストパフォーマンス」をサポートするセルフケアブランドを展開するWRAY代表取締役の谷内侑希子さん

 「たくさん働き、早く自立したい」「一人で家族を養えるくらい稼ぎたい」という気持ちが強かったこともあり、大学時代も「無給のインターンシップより、アルバイトで稼ぐ」という感じで。社会人としてのキャリアのスタートとなったゴールドマン・サックス証券は、「忙しそうで密度も濃そう」「男女対等に活躍できる」「将来どの道に進んだとしても選択肢を広げられる」と考えたのが入社の決め手でした。