女性特有の体の変化をサポートするセルフケアブランドWRAY(レイ)を今年9月にローンチしたWRAY代表取締役 谷内侑希子さん。13年間キャリアを走り抜ける中、自身が経験したライフステージの変化や女性特有の体の不調から着想を得て、今年4月に起業。コロナ禍の影響で投資マインドの冷え込みも心配された中、総額約4500万の資金調達に成功しました。創業者のリーダーシップと起業の道のりに迫ります。

(上)WRAY谷内侑希子 生理不順で自信喪失 起業を決意
(中)コロナ禍中4500万円の資金調達に成功 ゼロイチの挑戦 ←今回はここ
(下)不妊治療と仕事の両立 スキルを強みに壁を乗り越えた

市場にないものをつくるチャレンジ

 経営に近いポジションでリーダーの役割を担ってきた30代前半。当時担当したスキンケアブランドの売り上げアップに貢献し、その後取締役に就任するなどキャリアは順調でしたが、再び体の不調に悩まされました。不妊治療では、医師からホルモンバランスの状態を指摘され、それまで何のケアもせずに過ごしてきたことを後悔。第2子の産後からはPMS(月経前症候群)がひどくなり、生理前にはイライラして気持ちが落ち着かなくなったり、ささいなことで悲しくなり、家族にきつく対応してしまって後から自己嫌悪に陥ったり。医院で低用量ピルを処方してもらうのがベストだけれど、もっと身近なところから始められて改善に働きかけられるものがあったらいいのにと思い、WRAYの構想に行きつきました。

 女性の活躍を支援するという方向性は早い段階から決まっていましたが、ヘルスケアの分野以外にもテーマは広くあり、人生をかける起業のテーマについて試行錯誤しました。私はインスタグラムでの発信を起業前から続けているのですが、「ライフスタイルを参考にしています」という声をフォロワーの方からよくいただくんです。私に求められているものがライフスタイルであるのなら、その分野は市場のニーズにマッチしやすいのではないかと考えました。

フォロワー数約2万2000人のインスタグラム。谷内さんが発信するファッションやトレンド・子育て情報を参考にしているフォロワーも多い
フォロワー数約2万2000人のインスタグラム。谷内さんが発信するファッションやトレンド・子育て情報を参考にしているフォロワーも多い

 女性向けのヘルスケアには多くの課題があり、生理やPMS、妊活、不妊治療、産後うつのほか、育児も体から切り離せない部分があります。その後には更年期障害も。それほどヘルスケアの課題は女性の人生の中で多くを占めているものであり、キャリアともターニングポイント的に重なってくる実感がありました。でも、それらを解決したり相談したりする具体的な方法って、医療以外の選択肢が少な過ぎると思ったんです。今の市場にないものを「ゼロイチ」でつくるのは、最初のチャレンジとしてかなり大きなステップ。自分自身が社会の課題として必要性を感じる大きいものから、まず取り組んでいこうと思いました。