今年は東京オリンピックが延期になってしまったし、海外旅行も難しそう。そこで日経doorsを読んでいただき少しでも前向きになっていただきたいと思い、編集部員が「読むだけで気分が晴れやかになる記事」を選び抜きました。

 まずは、編集長飯泉梓のセレクションです。

不安な日々 池上さんに勇気づけられた

飯泉梓 日経doors編集長
ツイッターはこちら→@doors_iizumi

 ジャーナリストの池上彰さんをオンライン取材したのは外出自粛制限が緩和されていない5月。4月に編集長に就任直後、突然のテレワーク。あまりに慣れない環境で仕事を続け、ふとテレビを見ると増え続けるコロナ感染者。そしてアメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席は互いに攻撃を続け、世界情勢も緊張状態に。「本当にどうなってしまうんだろう」と、とにかく不安しかないなか、「誰かにこの先の未来について聞きたい、そうだ池上さんしかいない」と必死でアポを取りました。

 忙しい合間を縫ってオンライン取材をご了承いただき、いざスタート。池上さんの言葉は力強く、あたたかいものでした。「不安なのはあなただけではない」「このコロナ禍で女性リーダーの活躍は目を見張る。これから女性がもっと活躍する時代になる」「世界は不安な情勢だが、それは各国首脳のパフォーマンス。戦争は絶対に起らない」「外出自粛期間は自分と向き合う時間だと思って」などなど。取材後は心が晴れやかになったことを覚えています!

 この先の未来について少しでも不安に思われた方はぜひ読んでみてください!

池上彰さん教えて! 仕事、働き方、東京五輪の行方は?


男性本位の政治はコロナ禍で変わる 池上彰


池上彰 米中の対立は? コロナ禍の世界の読み解き方


 延期になってしまった東京オリンピック。もちろんショックを受けましたが、アスリートの皆さんは私の比ではないはずです。でもそれもきっと乗り越えてくれるだろうと思っています。というのもこの半年「オリンピアン 勝つ人のメンタル考」という連載を担当し、オリンピアンに取材してきたから。彼らは肉体のみならず、精神も鍛え上げた結果、オリンピックという栄光の舞台に立つことができたということを深く学びました。

 中でも特に印象に残っているのはリオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得した競泳の松田丈志さん。松田さんが現役時代につけていた練習ノートを見せていただのですが、そこには練習記録とともに「金メダリストの松田丈志です」という一文が毎日書いてありました。まだオリンピックが始まってもいないのに、です。「周囲からのプレッシャーでやらされている気持ちになって、疲れることがあります。そんなとき、何のために挑戦するのかということがノートに書いてあれば、それを見て自分の本当の動機に戻れる」と松田さんは言います。そして現役最後の1ページも見せてくださいました。一つの物事にやりきった人の人生の区切りが垣間見えた瞬間で心が震えました。気になる方はぜひ記事を読んでみてくださいね。

松田丈志 ノート公開! 書いて悔しい思いを目標にした