「友達が少ない」「周りの人とライフステージを比べてしまう」「職場に、好きになれない人がいる」……、さまざまな人間関係にまつわる悩みを、俳優のサヘル・ローズさんに聞く本連載。数々の苦しい状況を経験してきたサヘルさんだからこそ語ることのできる、優しい言葉が詰まっています。読み終えたら、もっと自分を大切にしたくなるはず。どうぞじっくり耳を傾けてみてください。

サヘル・ローズさん
1985年、イラン生まれ。俳優・タレント。幼少時代を孤児院で生活し、7歳のときにフローラ・ジャスミンの養女として引き取られる。8歳で養母とともに来日。俳優として、映画やテレビドラマ、舞台にも出演。国際人権NGOの「すべての子どもに家庭を」では、親善大使を務めた。公私にわたる福祉活動が評価され、2020年に米国で人権活動家賞を受賞。新著に『言葉の花束』(講談社)。

本当の友達なんて、1人いれば十分

 私も、友達はすごく少ないんですよ。「本当に心を許せる友達」……と言われたら、10人もいないんじゃないかな。

 10代の頃は、「数」に安心していました。たくさんの友達に囲まれていると強くなったような気がして。でも、20代、30代と年齢を重ねるうちに、だんだんと友達の数は減っていきました。

「本当に心を許せる相手は、1人いたらいい」
「本当に心を許せる相手は、1人いたらいい」

 例えば、「なんとなく」の友達が100人いたとする。でも、自分が本当にSOSを出したときに助けてくれるのって、そのうち「1人か2人いたらラッキー」くらいでしょう? それが分かってきたから、自然と数にとらわれないようになったのかもしれませんね。

 自分の心の内を何でも話せる相手って、貴重じゃないですか。だからこそ、本当の友達には、そうそう巡り合えるものではないと思うんです。だから、「友達が少ない」と悲観的になる必要なんてないですよ。