「友達が少ない」「周りの人とライフステージを比べてしまう」「職場に、好きになれない人がいる」……、さまざまな人間関係にまつわる悩みを、俳優のサヘル・ローズさんに聞く本連載。数々の苦しい状況を経験してきたサヘルさんだからこそ語ることのできる、優しい言葉が詰まっています。読み終えたら、もっと自分を大切にしたくなるはず。どうぞじっくり耳を傾けてみてください。

無理に忘れなくてもいい

28歳・女性
どうしても許せない相手がいます。
忘れたほうがいいことは分かっているんですが、気づくとその人のことを考えて、怒りや悲しみがぶり返します……。
「憎しみをのぞき込まないで」
「憎しみをのぞき込まないで」

 「忘れなきゃ」と思うと、余計つらくないですか? 「許せない」感情というのは、人として自然なものだと思います。たぶん、誰もが持っているものじゃないかな。だから、自分の感情を押し込めて、無理やりその人を許す必要はないですよ。

 私も許せない人がいて、本当に苦しかった時期がありました。相手の顔をちらっとでも見ると嫌なことがフラッシュバックして、吐き気まで出てしまって……。そのときは、相手を許すつもりはまったくありませんでした。

 自分の気持ちや経験に蓋をすることはできないし、どうしたって傷は残ってしまう。そこは 無理に忘れようとしなくていい んですよ。表に出さないだけで、みんな抱えている感情のはずだから。