両立の疲れと焦りから起きたミスマッチ

 2度目の転職は、主目的が「仕事のペースを落とす」ことだったため、最初の転職とは別のエージェントに依頼。小沢さんのキャリアは高い評価を受け、複数の企業から書類通過の連絡がありました。

 このとき「環境を変えなければ」という焦りと、仕事と転職活動の両立による疲れを感じていたという小沢さん。できるだけ早く転職活動を終えたいと、面接の段階で内定を出してくれた企業から入社を打診され、その場で受けてしまいます。

 「今思えば、転職先の企業についてもっとよく調べて、周りの意見も聞いてから決めるべきでした。とりあえず働きながら考えようという気持ちで転職したので、環境面でミスマッチがありました」

焦って転職を決断したが故の、環境面でのミスマッチに悩んだことも…
焦って転職を決断したが故の、環境面でのミスマッチに悩んだことも…

 転職した外資系の運用会社は、少数精鋭で実力主義。人材の入れ替わりが激しく自主退職やリストラが相次ぐなど不安定な雇用環境でした。マーケティング部に配属された小沢さんは、投信の販売用資料、勉強会資料などの作成業務など、営業のサポートを主に担当。しばらくして妊娠が分かり、産休・育休を経て子どもが1歳のときに職場復帰しますが、いつ職を失うか分からないという環境は幼い子どもを持つ母親にとっては非常に厳しいものでした。

 「1歳は病気が多い年齢です。保育園に預けたと思ったら急病でお迎えの要請が来たり、忙しい日に子どもが熱を出したりすることも珍しくありませんでした。当然、仕事も思うように進まないことが増えてきます。この環境で結果を出せなければ、いつクビを宣告されてもおかしくない。クビになったら、せっかく決まった認可保育園も退園せざるを得ないかもしれない。そんなことを考えて、日々プレッシャーを感じていました」

 さらに、資料作成業務は締め切りがあるため、日によっては午後10時ごろまで残業したり、子どもを寝かしつけてから夜中まで仕事したりをすることも多々ありました。ワーキングマザーにとって大切なワークライフバランスを実現できる職場環境ではない、と考えた小沢さんは3回目の転職を決意。ほどなく活動を開始しました。