小沢さんの転職アクション5つ
2回目の転職での失敗を生かして、小沢さんが取った転職アクションは次の5つです。
1.転職の目的を明確にする
小沢さんが3度目の転職活動で重視したのは、次の3つです。
・ワーキングマザーへの理解があること
・自分の今までのキャリアと同じ分野でキャリアアップできること
特に「資産運用に携われること」「子育てしやすい環境である」という2つの条件をコンサルタントに伝えました。
2.友人や家族に相談する
キャリアプランや転職先の選定に当たって、これまで以上に周囲にアドバイスを求めました。さまざまなキャリアを築いている前職、前々職の同期のほか、非常に大きかったのが「私以上に、私を分かってくれている」と話す同業の夫の存在です。
「育児との両立がどんなに難しくても、私に仕事を辞めるという選択肢はありませんでした。夫も平日はバリバリ働いて、一時は週末に大学院にも通うという生活でしたから、キャリアを諦めるべきじゃないというスタンスでいつも背中を押してくれていたんです。多忙で育児面でのヘルプが期待できない時期もあったのですが、少しずつ分担できるようになりました。夫からの精神的、物理的なサポートにかなり支えられました」
3.夏休みを利用して短期集中で活動
子どもが小さいと、面接の予定を組むのも簡単ではありません。小沢さんは、できるだけ職場に迷惑をかけないよう、子どもへの影響も最小限で済むよう、夏休みにエージェントを利用してエントリーし、夏休み後に面接を受け、短期集中で活動しました。
4.育児のサポート体制を整える
家族に加えて、病児保育機関など外部機関を含めた育児のサポート体制をつくりました。「ママであること」を理由に採用側が二の足を踏むことがないよう、フルタイムで働けること、必要であれば残業もできる状態にあることをアピールできる環境を整えました。
5.自分が信頼できる転職エージェントに依頼
キャリアに対する理解やサポートの信頼性などを見極め、最初の転職活動でお世話になったエージェントにサポートを依頼。
「担当してくれたコンサルタントさんが以前と同じ方だったので、私の状況や転職の目的、今後のキャリアプランなどをすぐに理解してくれました」
「よりスタンダードでベーシックな資産運用を経験するため、日本企業に絞りたいとエージェントに伝えて、6社ほどの紹介を受けました。無駄打ちする時間はなかったので、その6社から本当に行きたいと思えるところだけをピックアップして、実際にエントリーしたのは全部で3社ですね」
この転職活動で最初に内定が出たのが、東京スター銀行でした。決め手になったのは、小沢さんが新卒で入社した会社で勤務していた経験を持つ人がいたことや、ヘッジファンド経験者など外資系出身者が多くいて、積み重ねてきたキャリアに対する理解があったこと。そして、人を大切にする社風でした。
「ワーキングマザーが多く活躍していて、子どもがいても肩身の狭い思いをすることなく働けると知って、ここなら根を下ろしてキャリアアップできそうだと感じました。私がこれまでやってきたことを分かってくれる人がいる、ということも大きかったですね」