「ママでも採用したい」と思ってもらえる強みを磨くことが大切

　こうして東京スター銀行に入行した小沢さんは、商品部で新商品選定、導入作業全般といった投資信託業務全般に携わっています。転職した当初は、業務に慣れるのに必死で残業する日もあり、子どもに寂しい思いをさせることもあったという小沢さん。それでも、同じ境遇のワーキングマザーたちに励まされながら仕事を続け、子どもが小学校に入学した今はかなり余裕ができたといいます。

　「同僚にも職場環境にも恵まれて伸び伸びと仕事ができていますし、業務自体にやりがいがあります。転職の満足度は100％ですね。あと数年すれば今より子どもに手がかからなくなり、仕事にもっと比重を置けるようになると思うので、今は限られた時間の中で最大限の生産性を発揮することを重視して仕事を続けたいと思っています。両立は簡単ではありませんが、働く姿を子どもに見せ続けられるよう、頑張っていきたいです」

　小沢さんは、状況を変えるために転職が最善と判断したなら、エネルギーを使ってでも動くべきだと話します。

　「ママになっても、一人の社会人として仕事を通じた成長の機会がほしいと思うのは当然のこと。子どもがいる、というだけで転職のハードルが高いのは確かですが、それでも採用してもらえるだけのスキルがあれば怖くありません。何があってもキャリアを諦めないために、普段から自分の強みを磨く努力をすることが大切なのではないでしょうか」

子どもからもらった手紙を持ち歩き、元気をチャージすることもあるという
子どもからもらった手紙を持ち歩き、元気をチャージすることもあるという

取材・文／藤巻 史　写真／窪徳健作　構成／鳥居 史