CA乗務停止の期間中に自分を見つめ直したことで「デザイナーになりたい」という気持ちを再発見。SNSなどで発信を始めた
CA乗務停止の期間中に自分を見つめ直したことで「デザイナーになりたい」という気持ちを再発見。SNSなどで発信を始めた

 「乗務停止になったこの期間に、自分の未来について、自分が本当にやりたいことについて、じっくり考えました。そして、『絵を描くのが好き! デザイナーになりたい』という夢をもう一度追いかけてみようと思ったんです」

 このままCAの仕事を長く続けていくのは体力的に難しいかもしれない、という思いもあったと河野さん。長く働くことを考えるなら、やっぱり好きなことがやりたいという気持ちも、転職の後押しになったといいます。仕事の傍ら、趣味として描き続けてきたイラストをSNSで公開したり、コンテストに応募したりするところから始めて、少しずつ仕事探しにとりかかりました。

気概と努力で、中途採用の壁を乗り越えた

全くの未経験でデザイナーになるのは難しい。河野さんがチャンスをつかんだ方法は?
全くの未経験でデザイナーになるのは難しい。河野さんがチャンスをつかんだ方法は?

 転職活動を本格化したのは、退職する1~2カ月前。自分の描くイラストのテイストにマッチしそうな女性誌を探して、採用欄を見ては一つひとつ当たっていきました。美大出身ではなく、しかも航空会社からの未経験転職である河野さんにとって最も高い壁になったのは、新卒時と同様のポートフォリオの提出に加え、即戦力として活躍できる高い技術力が求められたこと。

 それでも、100枚以上描きためていたイラストの中から厳選した10枚を2点にレイアウトして提出。また、基本操作の習得が義務付けられていたデザイン系のソフトは、全く触ったことがなかった「インデザイン」を7日間のアドビ製品無料体験版を使って集中して学び、「イラストレーター」と「フォトショップ」に関しても復習を行いました。勉強は、インターネットの記事を見たり書籍を購入するなどして、独学で行い「何とかする」という気概で乗り切りました。