採用のアウトソーシングや人材コンサルティングなどを手掛けるアールナインで働く胡桃茅里(くるみ ちさと)さん。転職によって、高校時代からの夢だったキャリアコンサルタントとして活動の幅を広げています。胡桃さんは新卒で入社した会社では違う職種でキャリアをスタートさせました。その後、キャリアコンサルタントの資格を取得して転職、夢に向かって前進。具体的にどんな転職アクションを起こしたのかを詳しく聞きました。

胡桃茅里さん。病を機に「人を支える仕事」に興味を持ち、キャリアコンサルタントを目指して法政大学に進学。2016年4月アクトコールに入社。代表や専務の専属秘書を経て、その後総務を兼任。2年目には資格取得のためのスクールに通い、国家資格となったキャリアコンサルタントの資格を取得した。18年11月、アールナイン入社。総務・秘書・新卒採用の傍ら、同社が運営する国際キャリア・コンサルティング協会の運営を担当
胡桃茅里さん。病を機に「人を支える仕事」に興味を持ち、キャリアコンサルタントを目指して法政大学に進学。2016年4月アクトコールに入社。代表や専務の専属秘書を経て、その後総務を兼任。2年目には資格取得のためのスクールに通い、国家資格となったキャリアコンサルタントの資格を取得した。18年11月、アールナイン入社。総務・秘書・新卒採用の傍ら、同社が運営する国際キャリア・コンサルティング協会の運営を担当
高校時代からの夢だった、憧れのキャリアコンサルタントへ転身。転職活動はどう行った?
高校時代からの夢だった、憧れのキャリアコンサルタントへ転身。転職活動はどう行った?

突然の病をきっかけに、人を支える仕事に興味を持った

 胡桃さんとキャリアコンサルタントという仕事との出合いは、高校時代に遡ります。勉強はちょっと苦手で、硬式テニス部の活動に熱中して練習に明け暮れる、ごく普通の高校生だった胡桃さん。そんな彼女を突然の病が襲ったのは、高校2年生のときでした。背骨がねじれを伴って側方へ湾曲する、脊椎側彎(そくわん)症です。思春期に起きる突発性側彎症は、成長期の女性に多く発症する病気です。

 はつらつとスポーツを楽しんでいた青春真っ盛りの女子高生は、制服の下に窮屈なコルセットを巻き、これまでできていた「当たり前」を諦めて、不自由な暮らしのなかに身を置くことになります。

 毎日の通院や治療による吐き気に苦しみ、仲間たちの華やかな生活を見るたびにふさぎ込んでいた胡桃さんでしたが、治療を担当してくれた医師の一言によって、生来の明るさと笑顔を取り戻します。

 「君は、他の高校生ができない経験を今している。自由に体が動く日常を幸せに感じるだろう。その当たり前の幸せを教えてあげられる人になりなさい、と声をかけてくれたんです。それまではテニスで自分がプレーすることばかりを考えていましたが、初めて誰かを支えるという視点を持つことができました

 マネージャーとしてテニス部に復帰した胡桃さんは、「人に寄り添うこと」に喜びを見いだし、部活を引退するまで部員のフォローに力を尽くしました。「自分の笑顔で人を笑顔にできる仕事がしたい」と思った胡桃さんは、将来の進路としてキャリアコンサルタントという仕事に興味を持ちました。そして法政大学キャリアデザイン学部に進み、人材育成や学校教育の領域を学びます。