短大を卒業後に就職したメガバンクから、XLARGE、X-girl、MILKFED.など若者に人気のストリートブランドやセレクトショップを多数展開するビーズインターナショナルへ、販売職として転職した保田英莉子さん(32歳)。「安定」の代名詞のような銀行員を辞めて、やりたいことに素直に生きようと決めたのは23歳のときでした。自分の好きな分野に飛び込むときに取った「転職アクション」を保田さんに聞きました。

保田英莉子さん。実践女子短期大学卒業後、2008年4月から2010年11月まで三井住友銀行勤務。窓口業務から資産運用の提案までを一通り経験。2011年5月、ビーズインターナショナルにアルバイトとして入社。配属されたショップの副店長、店長を経て正社員に昇格し、現在は広報兼人事総務として活躍している
保田英莉子さん。実践女子短期大学卒業後、2008年4月から2010年11月まで三井住友銀行勤務。窓口業務から資産運用の提案までを一通り経験。2011年5月、ビーズインターナショナルにアルバイトとして入社。配属されたショップの副店長、店長を経て正社員に昇格し、現在は広報兼人事総務として活躍している

 保田さんがメガバンクからアパレルという、まったく違う業種に飛び込もうとしたのは23歳。しかし転職活動を始めた当時の保田さんが気づいたのは、「アパレルの販売職という世界では23歳という年齢は決して若くない」という現実でした。この年齢は、通常、転職市場では引く手あまたのはず。若手人材に熱い視線が注がれるからです。

 しかし保田さんはこの「現実」に対し、転職活動のやり方すら分からないまま、手探りの努力を経て採用の報をつかみ取りました。やりたいことに向けて素直に行動するという保田さんの転職アクションは、社内異動で販売から経理、人事へと業務の幅を広げ続ける今もなお、保田さんの軸となってそのキャリアを支えています。

異業種転職に成功した道筋を表すグラフ
好きなアパレルに銀行からの異業種転職に成功した保田さんの転職アクションとは?

短大卒後、両親の背中を追って銀行員に

 銀行員として働く父と母の下に生まれ育った保田さん。給料日、袋から出したお札をきれいな扇形に広げ、鮮やかに数える様子を「かっこいいな」と思って見ていたと話します。「同じ道に進め」と言われたことは一度もないにもかかわらず、幼心に「大人になったら銀行員になるんだ」と決めていたのは、保田さんの目に働く両親の姿が生き生きと映っていたからなのでしょう。

 短大に進学してからも思いは変わらず、卒業後は三井住友銀行へ入行しました。