以前よりも「起業」や「独立」のハードルが下がった今、組織に属さない働き方も増えています。その中で、フリーランスや個人事業主ではなく、「社長」として働く選択肢も出てきました。しかし、思い描いた事業を自分で経営するにはどうすればよいのでしょうか。

企業広報として大手企業から中小企業まで幅広い業界のPRを担当し、フリーランスとして独立した木本美紅さん。2014年に「mikuPR」を立ち上げ、9期目を迎えました。持ち前のコミュニケーション能力を発揮して企業の広報室を立ち上げるなど、法人向けの広報委託事業や広報担当者の育成事業を展開しています。「1人社長」として活躍するための「超ノウハウ」を1人社長の先輩、木本美紅さんが伝授します。

プロに依頼しても「具体的な金額の把握」が大切

 前回、事業を共にする仲間の作り方やブランディングについて、共感という指針や「1人社長」の自己ブランディング方法をお伝えしました。今回は、起業当時の「お金」事情や取引相手から入金がなくピンチになったときのエピソードを正直にお話しします。

 一般的な企業では経理部が担うお金の出入り。仕事に対して支払われる金額や預金管理だけでなく、伝票作成やデータ入力、領収書の整理、請求書や決算書の作成、各種税金の納付など、お金に関わる業務は多岐にわたります。1人社長の場合は、すべてを自分でやるか、誰かに依頼するにしても、あらかじめ税理士に依頼した上できちんと把握する必要があります

 その前に、皆さんは、起業には具体的にいくら必要だと思いますか? まずは、私の事例をもとに説明していきます。