子どもが小さいときは自由に使えるお金が減りそう……子どもにまつわるお金は想像がつかないからこそ、妊娠や出産に不安を感じてしまいますよね。そこで今回は、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに、出産後にかかるお金の目安と、将来のお金に困らないための出産前後のお金の上手な使い方について教えてもらいました。

子どもは「家計のブラックホール」 幼少期の使い過ぎに注意

 子どもを産んで育てることを想像したとき、必ずついて回るのはお金の不安。妊娠中の通院や出産費用は調べることができても、出産後に子どもにかかるお金は、なかなかイメージが湧きにくい。どの程度準備すればいいのだろうか。

 「実は出産後、2歳くらいまではそこまでお金はかからないんです。大きくなるにつれて中学受験や高校受験、大学受験などで本格的にお金が必要になります。だから子どもが小さいときは貯めどきと心得て、無駄遣いは控えましょう」

 では、具体的に2歳くらいまでにはどの程度費用がかかるのか。 「出産後も働く場合、一番負担が大きいのが保育料。住んでいる場所や入れた保育園にもよりますが、認可保育園でも共働きの場合、月8万~10万円程度かかることもあります。2019年10月から保育園の無償化がスタートしますが、それも対象となるのは3歳からなので、2歳までの子どもがいる人は無関係です。ただ、この保育料を頑張って捻出できれば、後はそこまで出費が必要ではありません。特にこだわらなければ、自治体からの補助なども上手に使って、子どもを育てるのに必要な食費に衣料費、ミルク代やおむつ代、全部合わせても月々1万5000~2万円程度で済むケースも少なくありません

子どもが小さい時は貯めどきと心得よう
子どもが小さい時は貯めどきと心得よう

 危険なのは、子どもが小さい時期に、洋服やおもちゃなどにお金を使い過ぎてしまうことだそう。「特に共働きの夫婦は、子どもが小さい頃から習い事にお金を多く使うケースが見られます。子どもは『家計のブラックホール』と言われていて、かわいいのでついお金をつぎ込んでしまいがちなんです。特に第1子の場合は、洋服などに散在しがちです。しかし、子どもは成長が早いのですぐに着られなくなってしまうこともしばしば。メルカリなどの中古市場も発達しているのでそうしたサービスを賢く活用しましょう。またベビーベッドや子ども用の椅子なども、使う期間が限られているので、レンタルサービスを使うなどして費用を抑えるといいでしょう」

 習い事にも注意が必要だと言う。「子どもが小さければ小さいほど、何かひとつのことができると『うちの子は天才!』と思ってしまいがち(笑)。お稽古事を増やして、就学前に使い過ぎてしまうことも。インターナショナルのプリスクールなどに入れた場合は、毎月10万円以上かかるケースもあります」

 習い事は、本当にそれが必要なのかしっかり見極めることがおすすめだと、高山さん。「ある程度、『これができるようになったらやめる』と目標を決めて始めるのも選択肢の1つ。将来苦しまないためにも、子どもが小さいときこそ貯蓄しておくことが大切です