元広告プロデューサーの堂原有美さんが、「幸福度の高い国や地域」を巡り現地の人に幸せの価値観を聞く本連載。最終回は台湾です。日本に近く、文化も似ていますが、「幸福度」の違いはどこにあるのでしょうか。台北市に住むフライトアテンダントのダフネ・ファンさんに話を聞きました。

ダフネ・ファンさんと夫、2人の愛娘
ダフネ・ファンさんと夫、2人の愛娘
【今回の幸福国・地域:台湾】
Daphne Huang(ダフネ・ファンさん)
2児の母
フライトアテンダント

台湾は「世界一フレンドリー」

堂原 ダフネさん、こんにちは。簡単な自己紹介をお願いします。

ダフネ・ファンさん(以下、敬称略) こんにちは、ダフネ・ファンです。2人の娘と夫と、台北市の天母(テンム)という住宅地で暮らしています。仕事は航空会社のフライトアテンダントです。

堂原 ダフネさんは今、幸せですか?

ダフネ はい。素晴らしい家族に囲まれていますから。賢くてちょっと変わり者の夫と、いつも私を笑わせてくれる大切な2人の娘に囲まれており、いつも感謝しています。また仕事でも世界中を回りますから、たくさんの素晴らしい人や世界を見ることができ、とても充実しています。

堂原 台湾の幸福度ランキングですが、国連調査の世界幸福度報告書では世界で25位(156カ国・地域中)で、東・東南アジアでは1位でした。そこからシンガポール、タイ、韓国と続き、日本は東・東南アジアで5番目(世界58位)。台湾の幸福度の秘訣、そして日本との違いは何だと思いますか?

ダフネ 台湾は、壮大な自然が身近にある美しい環境であること、それに情熱的でフレンドリーな性格、程よいワークライフバランスでしょうか。台湾は赤道に近く、大部分が亜熱帯地方で、一年中暖かい。厳しい冬がある日本とは対照的です。それもあってか、台湾人は外出が好きで、近所の人や、道端で出会った知らない人でも平気で話しかけます。

堂原 確かに、街で出会う皆さんはフレンドリーで、とても優しかったです!

ダフネ 私は仕事柄、多くの国の人々と話しますが、個人的には台湾人は世界一フレンドリーな人種だと思っています。隣人に興味を持ち、いつも他者を助けようとする心があります。私は幼い頃、台湾の田舎で育ちましたが、隣近所で助け合うのが当たり前で、みんな第二の家族のようでした。大人になり、大都市に移っても、その姿は基本的には変わりません。そういった人の温かさが、台湾の最も素晴らしい資源のひとつだと思っています。