元広告プロデューサーの堂原有美さんが、「幸福度の高い国」を巡り現地の人に幸せの価値観を聞く本連載。今回は、常備軍を廃止し「軍事力を持たない国」として知られるコスタリカ共和国で、その豊かな自然環境を守る仕事をしているアナ・マリアさんに話を聞きました。

【今回の幸福国:コスタリカ】
Ana Maria(アナ・マリアさん)
(現)SINAC(国家保全地域庁)本部勤務
(元)バラ・デル・コロラド野生生物保護区管理プロジェクト時 環境教育担当

堂原 こんにちは。まずは簡単な自己紹介からお願いします。

アナさん(以下、敬称略) こんにちは、アナ・マリアです。SINACという国の環境保全を担う研究機関に11年間勤めています。今はオフィス勤務ですが、その前は野生保護区の管理プロジェクトを現場で担当していました。

堂原 野生保護区! コスタリカらしい職場ですね。

アナ この国はエコツーリズムの先進地ですからね。国土の4分の1が国立公園・自然保護区で、使われているエネルギーも99%が再生可能エネルギーなんですよ。

堂原 すごく高い割合ですね。自然と幸福はとても密接な関係にあるため、これも幸福度につながっていそうです。アナさんのご家族構成は?

アナ 結婚して10年になる夫がおります。夫も動物や自然を守るレンジャーとして働いています。

コスタリカの幸福度が高い理由

堂原 この国の幸福度は世界12位(2019年、国連の世界幸福度報告書より)となっています。この幸福度の高さは、大変気になっています。コスタリカは中米に位置する小国で、途上国や争いの絶えない国に囲まれているにもかかわらず、先進国と肩を並べるほどの順位をたたき出しているからです(日本は58位)。環境政策の先進地だったり、軍隊を持たなかったりと、とても異色で興味深い国だと感じています。そもそも、この国の幸福度が高い理由は何なのでしょうか?

アナ この国の人は、物事に対してポジティブだからでしょうか。それから、自分たちの周りに自然がたくさんあること、安全なこと、教育は誰でも無料で受けられること。そんなところではないでしょうか。