1.色で選んでみる

 「まず、ハズレの無い選び方は『色で選ぶ』こと。比較的、色の薄いものは味が柔らかく口当たりが良く、色が濃くなるにつれ、しっかりとした味わいになります」

<ホワイト>

・ヴァイツェン

・ベルジャンホワイト

・ホワイトエール など

小麦を使っているので、黄色ではあるけれど、白っぽく濁りがある。口当たりが柔らかいものが多い。

<黄色>

・ラガー

・ピルスナー など

のど越しが良く、すっきりした味わい。

<赤茶色>

・ペールエール

・IPA(インディア ペールエール) など

苦味があり、しっかりとした濃い味わいのタイプ。褐色系なのは、麦芽を焙煎しているから。

<黒色>

・スタウト など

麦芽を焙煎した、濃い色が特徴。香ばしさや苦味は独特で、濃厚な味わいです。ギネスビールはこれ。

 「クラフトビールが初めてだったら、色の薄いものからスタートするとハズレは少ないはず。そこからぜひ、いろいろな種類に挑戦してみてください」

<酔いどれメモ>
IPA(アイピーエー/インディアペールエール)ってなぜ苦い?
 昔イギリスがインドを植民地にしていた頃の製法に遡ります。インドにビールを送るには、赤道を2回通らなくてはなりませんでした。しかし、それではビールは腐ってしまう。そんなとき、防腐効果もあるホップを大量にビールに入れたために、苦味と香りの強いものが出来上がったんです。(吉野さん)

2.お店の人に聞いてみる

 それでも迷ってしまったら、いっそのこと「お店の人に好みを伝えて、お薦めを聞いてみる」と吉野さん。クラフトビールは、作り手の好みや個性が出るもの。同じビアスタイルでも作り手が違うと味も変わるんだそう。

 「おいしいな、と思うビールに出合ったら、どこのブルワリーの、何のスタイルだったか覚えておく。そうやって同じスタイルのビールを極めて自分だけの『推しビール』を見つけるのもいいと思います。この作り手(ブリュワー)が次に出すビールも飲んでみようといった、好みの『推しブリュワー』がいる、なんて方も。ぜひ、楽しく選んで自分だけのお気に入りのスタイルを見つけてくださいね」

 「ハズさない3つの選び方」3つ目となる次のページでは、家で楽しむクラフトビールを紹介します。