3.「缶」のクラフトビールをどんどん試してみる
3つめは、家飲みに欠かせない缶タイプを紹介。近ごろは、コンビニエンスストアや、大手スーパーなどでも豊富な種類のクラフトビールが買えるようになりました。外で飲むよりは価格もリーズナブル。あれこれトライしてみたいですよね。
でも、リーズナブルだからって「ただ飲む」のではつまらない。ひと手間加えただけで、おいしく飲むコツがあるのでは? そこで、ヤッホーブルーイングの広報ユニット「よなよなエール広め隊」の根来桜さんに、「缶のクラフトビールをおいしく飲む鉄則」を聞きました。
鉄則1.グラスに注ぐこと
つい、缶のプルトップを開けて、ぐいっといきたくなる気持ち、よく分かります。でもちょっと待って。
「ぜひ、グラスに注いで飲んでみてください。多彩な香りと味わいが、より広がりやすくなります」と根来さん。家にあるグラスに注ぐだけでおいしさがぐっと増すならば、今すぐグラスを戸棚の奥から引っ張り出そう。
「これからグラスを購入するのであれば、鼻と口が一度に隠れるくらい、間口が広めのパイントグラスを1つ持っておくことをお勧めします。飲むたびに香りがゆっくりと鼻の奥に広がり、同時に深い味わいも感じることができますよ」(根来さん)
鉄則2.温度にこだわってみる
「ビール=キンキンに冷えた飲み物」なんて思っていませんか? もちろんそれも間違いではないけれど、ビールのスタイルに合わせて「おいしい温度」は異なります。せっかくならそのビールに適した温度で楽しみたいもの。
「エールタイプのビールはキンキンに冷えたものより、少しぬるめがお勧め。例えば、全国のコンビニエンスストアやスーパーなどで販売しているベルジャン・ホワイトエールの『水曜日のネコ』は約10℃、アメリカンペールエールの『よなよなエール』は約13℃がおいしく飲める温度です。今の季節だったら、冷蔵庫から取り出し5~10分ほど室内に置くと、豊かな風味を楽しむことができます」
鉄則3.ゆったりと味わおう
グラスに注いで、温度にもこだわったならば、次はゆっくりと味わってみて。
「まずは香り。クラフトビールの華やかな香りを存分に楽しんでください」と根来さん。十分に香りを楽しんでから飲み始めると、口に含んだときの味わいや、のど越し、後味の余韻もより楽しめるんだそう。
そして何より、ゆったりと時間をかけて飲むこと。渇いたのどに、ゴクゴク……と飲むビールも格別なものだけれど、ここはひとつ、時間とともに変化する香りを楽しんでみたいものです。
さらに上級者は、スタイル豊富なビールに料理を合わせる「ペアリング」をしてみては。基本的に、色の薄いビールには和食やイタリアンなど、色が濃くしっかりとした味わいのビールには、肉料理や味の濃いものが合うんだそう。ビールのお供は唐揚げ! だけではなく、ビールもワインのように、料理に合わせてスタイルを選ぶ時代です。
自分だけのお気に入りビールがあるって、なんだかすてき。ぜひ、いろいろ飲み比べて、「推しビール」を見つけてみてはいかがでしょうか。
「酔いどれダイアリー」第1回は「クラフトビール」をご紹介しました。知れば知るほど、もっとお酒はおいしくなる。次回のお酒もお楽しみに。
取材・文・写真(根来さん)/尾崎悠子(日経doors編集部) 写真/稲垣純也(吉野さん)