社会人になると、職場の先輩や上司などと会食の後とに「2軒目はバーへ」なんて機会も増えてくるのではないでしょうか。バー初体験だったり慣れていなかったりすると、敷居が高い…なんて緊張してしまいがち。そんなバーの初心者には接客のプロが集まるホテルのバーがおすすめ。そこで、今回はホテル椿山荘東京メインバー「ル・マーキー」のバーテンダー押野智晃さんに話を聞きました。

最初の一杯、何を頼んでいいか分かりません…

 取引先との会食の後、おつかれさま会と称して上司に連れられて入った、とあるバー。恐る恐る、重厚なカウンターテーブルのハイチェアに腰掛ける。

 「なんでも好きなもの頼んで」と言って、上司はかかってきた電話の対応で慌ただしく外へ出てしまった。残されたあなたは出されたメニューに目を落とす、が……「な、何を注文したらいいか分からない……」

魔法の言葉を言ってみて

 「お酒のことが分かる人はメニューを見れば分かるけれど、お酒がよく分からなければメニューを見ても分からないですよね。そんなバー初心者におすすめしたい、魔法の言葉があります。それは『バーに来るのは初めてです』」

 そう話すのは、今回話を伺ったホテル椿山荘東京メインバー「ル・マーキー」のバーテンダー押野智晃さん。

お店にいる間はおいしいお酒を楽しんでもらいたい。「バーテンダーは執事(バトラー)である」が押野さんのモットー。

 「知っているカクテルの名前を無理に絞り出すのではなく、初めてだと素直に言っていただくこと。

 飲みたいものがうまく伝えられないときも、まずはバーテンダーに相談してみてください。

 お酒に強いのか弱いのか、今の気分は甘いものかドライなものか、ここへ来る前にどんな食事をしてきたのか……といった会話の中から、例えば『秋のフルーツを使ったリキュールがあるので、柿のカクテルはいかがでしょう』といったように、お客様に合う一杯を出すのがバーテンダーの手腕でもあります。

 質問の中から細分化し導き出していく、いわば水先案内人のような存在ですね」

<酔いどれメモ>
リキュールとは?

醸造酒や蒸留酒に、薬草や果実、花やナッツなどの抽出成分や砂糖などの甘味料を加えてつくられた混成酒のこと。お菓子作りでよく使われるグラン・マルニエや、カンパリソーダでおなじみのカンパリもリキュール。「甘味が強いので、お酒が強くない人はまずリキュールベースのカクテルから試してみるのもおすすめです」(押野さん)