「ジン」って何ですか

 「国産のジン自体、注目されてきたのはここ2~3年のこと。世界のジンの多様性が広がっている中で、ジャパニーズウイスキーのようにジャパニーズジンも世界を席巻する可能性が十分にあります」と、三浦さん。そんな魅力的な「ジン」っていったいどんなお酒なのでしょうか?

 「『ジン』とは、蒸留したグレーンスピリッツにジュニパーベリーという針葉樹の実を主体に香り付けして再蒸留したお酒。ジュニパーベリーとは、『西洋杜松(ねず) 』とも呼ばれるヒノキ科の針葉樹の実(正式には実ではなく球果)です。このジュニパーベリーの香りが、ジンそのものといえますね」

ジンに欠かせない素材「ジュニパーベリー」。ブルーベリーより一回り小さいサイズ
ジンに欠かせない素材「ジュニパーベリー」。ブルーベリーより一回り小さいサイズ

クラフトジンって何ですか

 「日本でかつて地ビールブームがあったように、欧米でもクラフトビールやクラフトスピリッツが少量生産されるようになっています。その流れで、ジュニパーベリーを主体に、その土地ならではのボタニカル(天然)の素材でジンに個性を出していったのが、『クラフトジン』です」

「ジンはご当地色も出せるし、ストーリーもある。作り手との距離も近く、アイデアを形にしやすいお酒ですね」(三浦さん)
「ジンはご当地色も出せるし、ストーリーもある。作り手との距離も近く、アイデアを形にしやすいお酒ですね」(三浦さん)

 「例えば、北欧だったらベリーを、日本だったら柚子や山椒だったり、地中海ではオリーブを……といったように、地域の特産素材を使ってみようと新しい可能性を広げていったことが『クラフトジン』の魅力につながっていて、とても大きなポイントです。その土地の素材をシェフのような発想でブレンドし、味を設計していく。『クラフトジン』というより、『ご当地ジン』と僕は言いたいですね」